【练习-小说翻译】斧名田マニマニ/转生王妃


本帖最后由 niaozhishi74 于 2019-8-2 19:39 编辑


如题这是某本轻小说的翻译练习(直接当作小说翻译来看也没啥问题)。


日文名:転生したら15歳の王妃でした 〜聖女のチートなんて興味がないし、気ままにおいしいごはんを作ります
中文名:我转生成为15岁的王妃~对成为圣女的棋子什么的没有兴趣,就让我随意的做美味的晚餐吧

本书是登载在日本成为轻小说家吧网站上一部小说,排名还是蛮高的,作者是斧名田マニマニ。插画师:暂无。(至少我没看见)

说实话名字有点长,就让我写成转生王妃吧,发这个贴子主要是当初我水贴被扣了一堆金币,想发点有价值的东西赚点金币。于是就到成为轻小说家吧,找了一篇名字很对口的来进行翻译练习只看名字或许和我当时看的一部小小爱书的下克上很类似,不知道会不会有雷毕竟我也是边看边翻译,真到有雷时再说吧。
话说为啥第六章突然要审核了。。。


【黑猫】:グズグズゆーな!




最后补上每章的标题名:1.社畜ol,异世界转生啦!
2.我不是该过劳死了吗?
3.回过神来已经成为了金发美少女!!
4.女仆们之间的闲谈
5.异界料理下了肚
6.为填饱肚子制定计划
7.秘密的菜田
8.摘得的黄瓜与谜一般的老爷子
9.厨房的使用权(暂定)到手了
10.冷制土豆汤
11.厨房的使用权(真)到手了
12.然后,我想要自由活动的权力
13.国王陛下的胸中——①






本帖最后由 妖精の書 于 2019-7-8 22:25 编辑


01 社畜OL、異世界転生する


土曜日の真夜中過ぎ。
 二十日間続いている連勤記録の更新を無事に終えた私は、ヘロヘロな状態で帰宅した。


周六的深夜里。

在20日无间断出勤——打破了自己的连续出勤记录——终于平安结束以后,我步履蹒跚的往家走。
死ぬほど疲れたな


累的要死~
玄関の鍵を回しながら、零れ落ちたのは重いため息。
 こめかみがズキズキと痛む。
 それに一日中、耳鳴りが続いている。
 明らかに疲労と睡眠不足が原因なのはわかっていた。

我转动玄关的钥匙,与此同时重重的叹了口气。
太阳穴咯吱咯吱的疼。
除此之外,今天还一直有点耳鸣。
我知道这明显是睡眠不足引起的症状。
そりゃ仕方ないよね。
 最後にぐっすり眠ったのは、おそらく一ヶ月半前。
 最後にのんびりご飯を食べたのは、いつだったっけ。
 悲しいことに、もう思い出せない。
 料理するのは好きなのになー。

这也难怪。
我最后一次好好睡觉已经是一个半月以前的事,最后一次悠闲吃饭甚至都已经记不清是在什么时候。
真是悲伤的故事,我都不想在提了。
明明料理是我的兴趣所在啊。。
大学を出てから二年。
 社畜ライフがこんなに辛いとは想像していなかった。
 私が勤務しているのはソーシャルゲームの制作会社で、これが尋常じゃなく忙しい。

大学毕业两年了。当初真没想到社畜生活居然如此辛苦!
我是在某社交游戏制作公司工作的,这里实在是太忙了。
ゲームに不具合が生じたり、サーバーが落ちると、容赦なく呼び出される。
 明け方に叩き起こされたり、帰宅した瞬間、会社にとんぼ返りさせられたのも、一度や二度じゃない。

游戏出现故障或者服务器挂了的话,不管你在做什么都会被叫去处理。
大早上还没睡醒就被被叫去,刚回到家就要返回公司,这类的情况也不是一回两回了。
しかも会社は鬼畜なことに、終電がなくなってからも私を召喚できるよう、徒歩十分圏内に寮を用意していた。
 入社当時は何も知らず、出勤が楽でよかったーなんて喜んだものだ。
 ピュアだった頃の自分が恨めしい。

最为鬼畜的是,公司为了能随时随地使唤我,还特地为我准备了徒步10分钟就能到公司的宿舍。。。
刚进入公司懵懂无知,还天真的以为这样就能更加愉悦的出勤。
真痛恨那么纯洁的自己!!
この会社に居続けたら、体も心も壊れてしまう。
 そう気づいたときには手遅れだった。
 危機を察知した人たちがさっさと辞めたあとで、深刻な人手不足に陥っていたのだ。

如果继续在这里生存下去,恐怕我的身体和心灵都坏掉——当我认识到这一点时已经为时已晚。那些早早察觉到危险的人快速离去以后,这里陷入了人手不足的情况。
辞めたいけれど、次の人が入ってきてくれない。
 ソーシャルゲーム業界の労働環境がブラックなのは、この二年でだいぶ広まってしまっていた。
 そのせいで人材確保が難しいのだ。

虽然很想辞职,但是没有新进员工。社交游戏制作公司的黑暗这两年已经被外界所熟知了,因为这个原因要引进人才无比困难。
それに疲れすぎると、人間の頭はまともに機能しなくなる。
 会社を辞めるどうこう以前に、今日を乗り越えるだけで精一杯。
 こんな毎日を変えようという体力すらなく、私はただ言いなりになって働いていた。

而且,人在十分疲惫的情况下,大脑难以正常运转。在思考辞职以前,光是度过今天就已经拼尽全力了。
现在是连改变自己每天生活的体力都没有,只能口头抱怨继续工作了。
「はー……。今日も仕事をするだけの一日だったな……。私、なんのために生きてるんだろ……」


“哈-今天也只是一个劲的在干活,我到底是为了什么在活着呢?”
真っ暗だったワンルームの部屋に明かりをつけ、パンプスを脱ぎ捨てる。


在漆黑一片的房间里点上灯,我脱下浅口鞋扔在一边。
とにかく癒しが欲しい。
 体の疲労ももちろんだけど、それ以上に心が摩耗していて、寝不足のはずなのに寝たいという欲求すら湧いてこなかった。

总之我渴望治愈!身体上自然不用说,除此以为我的心灵受到了损伤!明明睡眠不足,却并没有涌现那么强烈的睡意。
このまま布団に入ったら、私の生活は本当に仕事だけに支配されてしまう。
 それは嫌だ。
 ささやかな抵抗として、寝る前の数十分くらい、心が満たされることをしたい。

如果就这么钻进被窝,我的生活就真的只剩下工作了。

我讨厌这样!
作为小小的抵抗,我想在睡觉前数十分钟时间里,能做一些让心灵满足的事。
「せめて家にいる間だけでも、人間らしい生活をしないと……」


“至少在家里的这段时间希望自己活的像个人类啊”

 今日はアロマオイルでマッサージをしようか。
 お香を炊くのもいい。
 現実逃避と、心への癒しを求めて、私は毎晩、癒しグッズにすがっていた。

今天就用芳香精油按摩吧。
点燃的线香气味也挺不错。
为了逃避现实,同时也为了追求治愈,我每天晚上都在依靠着这些治愈类商品过活。
本当は今すぐ寝たほうがいいんだろうけれど、そうしたら一瞬で朝が来てしまう。
 朝になれば、また会社に行かなければならない。
 だからまだ眠りたくなかった。

事实上现在直接睡觉才是正确的,但是如此一来,早晨很快就会到来。
变成早晨,我就不得不去公司上班。所以我不愿意睡觉。
私はクマだらけの目を血走らせながら、部屋の中を見回した。
 まともに掃除されていない部屋には、私が集めてきた癒しグッズが溢れ返っている。

我睁着充血的熊猫眼,环视着自己的屋子。基本上没有认真打扫过得屋子里,有许多我收集的治愈商品。
ちなみにそのほとんどが手作りだ。
 会社に入社してからの私は、『眠気と格闘しながら癒しグッズを作り、完成したお手製グッズに囲まれて眠る』というヘンテコな趣味を持つようになっていた。

顺便一提这些商品大多数是手工制作的。
刚刚进入公司工作的我,养成了“边抵抗睡意边制作手工治愈商品,然后在治愈系商品的包围下睡去”这种如废铁一般的习惯。
「やっぱりこないだ作ったルームミストを使ってみよう」


“果然还是用上次制作的房间喷雾试试看吧。”
あれならこの頭の痛みを、少しはすっきりさせてくれるかもしれないし。
 朝からなんだか息がしづらいし、とっておきのアイテムを使うのには、ぴったりな日だ

那样的话,这头痛感能稍微减轻一些也不一定。
从早上开始总觉得呼吸困难,这种时候使用珍藏的道具,可谓是物尽其能!
なんて思ったところで、突如、心臓の辺りに激痛が走った。

正当我这么想时,突然心脏周围激起一阵痛楚。
「うぐっ!?」
 痛みは一瞬で消え去るどころか、鼓動を打つたびに大きく広がりはじめた。
 いっきに変な汗が噴き出す。
「う、うぐうう」

“咕!?”
疼痛非但没有快速消失,反倒是范围和程度越来越大,到最后一下子冒出怪汗。
“g,咕——”
痛い。本当に痛い。
 息もうまく吸えない。
 呼吸が乱れて、野太い悲鳴のようなものが、勝手に口から零れ落ちる。

好痛,真的好痛!
呼吸也变得无比艰难。
我凌乱的呼吸着的同时,不禁发出一声粗野的悲鸣。
本気で苦しんでいる時って、こんな残念な声が出るものなんだ。
 死ぬほど胸が痛くて、まともに立っていられないのに、頭の片隅でそんなことを思った。
真没想到在真正难受的时刻,人类会发出如此不成气候的声音——明明胸口无比痛苦,身体也不能正常的站起来,我大脑的一个角落却在思考着这种事情。
ああ、だめだ。
 よろめき、辺りにあったものを巻き添えにしながら倒れ込む。
 心臓が痛いだけじゃない。
 すごい吐き気と頭痛に襲われ、体が震えてきた。

啊,我恐怕不行了。
我摇摇晃晃着,卷着自己周围的东西一起倒了下去。
不止是心脏的尖锐疼痛,在我大口吐着气的同时头疼也会一起袭来,身体也抽搐不已。
これ、やばいやつだ。


这莫不是很不妙吗?
救急車を呼びたくても、スマホの入ったカバンに手が届かない。


即使想叫救护车,我的手却怎么也够不到装着手机的背包。
あー……。
 このまま死ぬのかも……。

啊,我可能就会这么死了。。。
 過労死なんて最悪だ。
 まだ二十四なのに。
 色々な未練が駆け巡っていく。

过度劳累死亡什么的性质也太恶劣了。明明我才24岁! 色々な未練が駆け巡っていく。
ああ……あの癒し系グッズたち。
 本当なら、もっとのんびり使ってあげたかったな……。
 ちょいちょい意識が飛ぶほどの眠気をこらえながら、無理して使うんじゃなくて。
啊,我的治愈系商品们~原本应该更加优悠闲的使用你们的,而不是忍耐着能失去意思般的睡意,胡乱的对你们加以利用。
ハーブで作ったバスソルトでのんびり半身浴をして。
 お風呂から上がったらおいしいご飯を食べて。
 最後は手作りの枕に顔をうずめて、そして好きなだけ惰眠を貪るのだ。

用香草做的巴斯盐悠闲的泡半身浴 ,洗完澡后吃好吃的饭,最后再把脸埋在手制的枕头里,尽情地睡懒觉。
生まれ変わったら、そんな人生が送りたい。


如果能够重生,我希望过上那样的生活。
苦しみと痛みは容赦なく襲い掛かり、少しずつ意識が遠のいていく。
 私が最後に見たものは、ワンルームの部屋に積み上げられた癒し系グッズの山だった――。

苦闷和疼痛难以遏制的袭来,我的意识渐渐远去了。
我最后看到的是——自己房间堆积成山的治愈系商品们。。。。
◇◇◇
――真っ暗闇。やっぱり死んだんだ。
 あれ、でもそれを自覚できるってことは、意識がある?
 もしかして助かったのかな。
 目を開けて確認しないと。
 ああ、でもまだ眠い……。
 体と意識がちゃんと連結しない感じ。
 このまま寝たら、今度こそ本当に死んじゃうやつか?

——无比黑暗的房间,果然我是死了吗?
啊嘞?但是我能认识到这件事,证明我还有意识才对。
或许我被谁救了也不一定。
不好好把眼睛睁开确认一下可不行。
但是,睡意还很重。。
感觉自己的意识和身体不能好好的连在一起。
如果就这么睡过去,这次就会真的死了吗?
なんて思いながらうとうとしてたら、頭上からゾクッとするほどのイケボが聞こえてきた。
 え? なんでイケボ……?

一边这么想着,一边迷迷糊糊的,我听到了从头上传来的能让人毛骨悚然却又充满魅力的男性声音。(可能我理解错ゾクッとするほど这个词的意思了吧)
?为什么是男性的声音?
「……――。すまなかった」


“——真是抱歉”
 優しくて、どこか遠慮がちな触れ方で、誰かがそっと頬を撫でる。

温柔的,客气的的触摸感从那方传来,那是有谁在轻轻的抚摸着我的脸颊。
「私の元へ、嫁いでなど来たくはなかったのだろうな」


“你并不像嫁到我这边来吧”
独り言のように小さく掠れた声が落とされた。


他吐露出如同自言自语般的小声的话语。
嫁ぐってどういうことだろう。
 不思議に思いつつ、ゆっくり目を開ける。

嫁过来到底是怎么回事啊?
我不可思议的想着,慢慢的睁开了自己的眼睛。














本帖最后由 niaozhishi74 于 2019-7-22 20:30 编辑


10 じゃがいもの冷製スープ
 私は小さい頃から料理がとても好きで、毎日、キッチンに立つ母の隣で、料理のやり方を教わってきた。
 おかげで都内の大学に通うため家を出てから、学生生活を送る四年間は楽しく自炊をして過ごせた。
 でも入社してから二年間、料理をした回数は数えるほど。
我从小时候开始就特别喜欢做饭,每天都在厨房里缠着妈妈让她教我料理的制作方法。拜其所此,我为了上都内的大学而离开家以后,过了四年自己做饭的快乐学生生活。但是工作之后的两年里,我做饭的次数少之又少。
 本当に久しぶりだから、ちょっぴり緊張した。
 そのうえ、邪魔にならないよう少し離れた場所に立ったおじいさんが、ものすごく興味深そうに、私の一挙一動を目で追っている。
因为真的是很久不做了,我有些紧张。而且,不想妨碍我站在稍远处的老爷子也兴趣颇深的观察着我的一举一动。
 おじいさんの期待にちゃんと答えられるか心配だ。
 でも、せっかくの機会だ。
 こってり系の味付け以外も知ってもらいたい。
不知道能不能回应老爷子的期待让人有点担心。但是这是难得一遇的机会。想让大家知道浓郁系以为的料理。
 じゃがいもの冷製スープは、時間のある日曜日の朝、母がたびたび出してくれた好物でもある。
 おじいさんに説明したとおり、レシピや段取りはちゃんと記憶に刻み込まれている
 大丈夫。
 落ち着いて、丁寧に。そして真心を込めて料理すれば、あの懐かしいスープを再現できるはずだ。
冷制土豆汤是每逢空闲的星期天早上,母亲就会做给我吃的喜欢的食物。和告诉老爷子的一样,食谱和程序都深深地刻在了我的脑袋里。没关系。冷静下来,细心些。然后再用真心去制作料理的话,就能再现出那令人怀念的味道。
 私はふうっと息を吸うと、姿勢を正して、じゃがいもに手を伸ばした。
我呼的舒了口气,摆正姿势,将手伸向了土豆。
 まずは皮を剥いたじゃがいもと玉ねぎを薄切りにする。
 バターをひとかけら譲ってもらってから、壁にかかっていた鉄のフライパンを借りた
首先将剥好皮的土豆和洋葱切成片。再得到他让给我一块黄油后,我借用了挂在墙上的铁的平底锅。
 これから空のフライパンを熱してあたためる。
 火のついた炉の上にフライパンを翳して調理するなんて、初めての経験だ。
 火加減は、火との距離で調整するらしい。
 これはコツを掴むまで時間がかかりそうだ。
 慎重に、慎重に、と心の中で呪文のように唱える。
现在开始先把空的平底锅热一下。这是我第一次在点着火的炉子上用平底锅进行烹调。火候似乎是根据与火的距离来调整的。这个要想掌握好大概很花时间。慎重的,慎重的,我像咏唱咒文一般不断的对自己说道。
 よし、こんなところかな。
 フライパンの上に手をかざして、熱気が届くのを確認してから、もらったバターをポトッと落とした。
 小さな泡をたてながら、瞬時にバターが溶けていく。
 ふわっと漂う香ばしい匂い。
好了,差不多是这种感觉吧。我把手靠近平底锅,确认热气能到达之后,把收到的黄油扑通一声倒了进去。只见咕哒咕哒起了几个气泡,黄油就瞬间溶解了。涌出一股轻飘飘的香味。
 ここ最近、料理に使われた大量のバターには、拒絶反応が起きてしまっていたけれど、やっぱり熱せられたバターの匂いには食欲をそそられる。
在这里的这段时间,因为料理里放了大量的黄油,我对它产生了些许拒绝反应,但是果然加热过的黄油可以激起人的食欲。
 料理ってこういうところが好きだ。
 おいしそうな匂いを楽しみながら、少しずつ完成に向かっていく感じが。
 心が活力を取り戻していく。
 ここ数日やることがなくて暇すぎたというのもあり、気づけば鼻歌を歌っていた。
正因如此我才喜欢做饭。我欢乐的吮吸着很好吃的气味,能感受到自己正一步步的完成这道料理。心脏也换回了活力。这几天因为无事可做实在太嫌了,注意到的时候我已经哼起了歌。
 バターがとろとろに溶けたら、じゃがいもと玉ねぎを投入し、炒めていく
黄油咕噜咕噜的溶解后,我放入土豆和洋葱,开始一起炒。
 じゃがいものスープは白い見た目も大事だ
 玉ねぎを焦がしてしまうと茶色く濁ってしまうから、火加減には注意しなくてはいけない。
土豆汤的白色外观也很重要。但把洋葱烤焦的话会变成茶色浑浊,所以也要注意些火候。
 また火とフライパンの距離を推し量りながら、弱火で慎重に炒めていく。
 隣からぽそっと「バターの量が少ないのでは……」という独り言が聞こえてきた。
 顔を上げれば、いつの間にか料理長もおじいさんの隣に並んで、私の動向を観察していた。
我一边推测火和平底锅的距离,一边用小火谨慎地炒着。这时从旁边传来了“黄油的量是不是少了些点?”仿若自言自语的声音。我抬头一看,不知何时料理长已经站到了老爷子的身旁,一起观察着我的操作。
 この世界の料理は、大量のバターを使っていそうだもんな。
 直接尋ねられたわけではないものの、一応「この料理はバター少なめで平気なんです」と返しておいた。
 もちろん私にとっては、今回の量、決して少ないわけではない。
这个世界的料理貌似是使用大量黄油制作的。虽然没有被直接询问 我姑且回了句“这个料理即使放少些黄油也没关系。”当然对我来说,这次的量,绝对称不上是少。
 じっくり時間をかけて炒め続けていると、たまねぎが透明になり、しんなりしてきた。
 ここで塩胡椒を振り、味つけをする。
慢慢地花时间持续炒的话,洋葱就会变得透明,柔软。这里再洒一些盐和胡椒增添味道。
 現実世界ではさらにコンソメスープの素を入れていたけれど、この世界に存在するわけがない。
 さすがに今、ブイヨンから用意している時間はないので、シンプルな味で挑むことにした。
现实世界里我还会加些清汤素(??),但是不晓得这世界有没有。再怎么说,也没有从清汤素开始准备的时间,
 新たまねぎから、甘い味が滲んでくれるだろうし、塩胡椒でも多分十分おいしく食べれるはずだ。
 もし今後も料理をする機会があれば、用意してみたい。
洋葱也已经渗出了甘甜的味道,只放盐和胡椒应该也足够美味了吧。如果以后还有机会做饭的话,就去准备一些吧。
 さて、味付けが終わったら、小鍋に水を入れて、じゃがいもと玉ねぎを移し、弱火でことこと煮込んでいく。
之后,味增做好了,我往小锅里注入水,在吧土豆洋葱转移进去,用弱火一起煮着。
 だんだん料理の感覚が戻ってきた。
 しっかり気を張ったまま、ワクワクする感覚を楽しむぐらいの余裕が生まれる。
 おたまでアクを取りつつ見守っていると、じゃがいもが柔らかくなってきた。
渐渐的找回了做饭的感觉。我一下子放松了,也产生了些享受欢欣雀跃的感觉的富余。おたまでアクを取りつつ見守っていると这里应该是用什么舀汤看来着)土豆也变得柔软了。
 自在鉤にかけて温めていた鍋を火から下ろそうとしたら、料理長が手を貸してくれた。
我利用自带的钩子把热乎乎的锅从火上端了下来,这时料理长也过来搭了把手。
「妃殿下。道具の扱いにはお気を付けください」
「わっ。ありがとうございます……」
王妃殿下。使用道具时还请注意一些。
“哇。谢谢。”
 寡黙な雰囲気に圧倒されつつ、素直にお礼を伝える。
 そんな箱入り娘扱いしなくてもと思った直後箱入り娘どころか、今の私は王妃様なのだったと思い出す。
被他严肃的气氛所压倒,我老实的道了个歉。别把我当作箱子里的女儿看待,我这么想着,突然发现,别说箱子里的女儿了,现在的我是王妃呀。
 改めて考えると、厨房で料理するような王妃ってあり得るのかな。
 うーん、でもあり得なかろうが、かなり飢えていた私としては、これ以上大人しく我慢をしていられるような状況じゃなかったしな。
 もしかしたら私のこの行動のせいで、エミリアちゃんが今後変人王妃扱いされるかもしれない。
重新思考一下,不知在厨房里做饭的王妃算不算好王妃?恩——不管算不算,对于已经饥不择食的我来说,在这以上还要忍耐的状况是没有的。或许因为我这次的举动,艾米利亚酱之后会被世人称作奇怪的王妃也不一定。
 エミリアちゃん、ごめん……。
 できるだけこの体にいる間、別の方法で好感度を稼ぎ直せるよう努力するよ。
艾米利亚,对不起。借用这个身体的时间里,我会尽快能用其他手段去提升周围的好感动的。
 そんなことを考えながら、鍋の中の具を木べらで潰していく。
 かたまりがなくなり、常温まで冷めたら、今度はシノワを使って濾す。
 この一手間をかけるかかけないかで、舌触りが全然変わるので、妥協はできない。
 ソース作りに特化した文化のおかげで、当たり前のようにシノワが存在していたのはありがたい。
一边考虑那样的事,我一边用木铲毁掉锅中的配料。现在还没结块,也还没冷到常温,这里就用漏勺过滤一下。因为要是不费这个工夫,吃起来就会完全不一样,所以不能妥协。多亏了专门制作调味汁的文化,理所当然地存在着漏勺真是太感谢了。  
さて、こんなものかな。
 本当は食べる前に冷やしたい。
 冷蔵庫はどう考えてもないだろうから、ボウルか何かに入れて氷水で冷やそうかな。
 そう思って周りをきょろきょろすると、料理長がすっと静かに歩み寄ってきた。
差不多是这种东西吗。真正吃之前希望能冷却一下。再怎么说也没有冷冻库,干脆放进大碗之类的用冰水冷却一下如何。我这样想着鬼鬼祟祟的观察四周时,料理长静悄悄的向我走来。
妃殿下、何かお探しですか?」
「えっと、スープを冷やしたくて。氷ってありますか?」
……冷やすなら冷蔵庫内の瞬間冷蔵機能をお使いになるとよろしいのでは」
「え!? あるんですか!?」
王妃殿下,在找什么?
“那个。我想冷却下这个汤,有没有冰块啊?”
“要冷却的话直接使用冷冻库的瞬间冷却技能不是更好?”
“哎?居然有冷冻库吗?”
 この世界に!?
 驚いていると、厨房の隅にある大きな箱の前に連れていかれた。
在这个世界里?!在我惊讶之余,我被带到了厨房一角的一个大箱子面前。
「もしや冷蔵庫をご覧になったことがあらせられないのですか?」
难不成王妃没有见过冷冻库吗?
 料理長に言われて適当に話を合わせる。
我思考着蒙混料理长的的话。
「そ、そうですねー。厨房には入ったことがないので……これはどういう仕組みなんですか?」
「魔法を用いて、この巨大な箱の中を、常時一定の温度で冷やしているのです」
「魔法!?」
正是如此啊!因为我没有进过厨房。。。这东西到底是怎么个构造?
“利用魔法,这个大箱子里面,可以保存一定的低温度进行冷冻。”
“魔法!?”
 うそ!?
 魔法が存在する世界なの!?
骗人!?居然是有魔法的世界吗?!
「ここに入れて念じると、瞬時に最適な温度に冷やすことができます」
把东西放进这里面念动咒语,只需片刻就会冷却到适当的温度。
 さあどうぞと促された私は、ひくっと頬を引きつらせたまま固まった。
 だって魔法の使い方なんてわからない。
 この感じだと、多分、誰でも魔法を使えるんだよね……?
 どうしよう。
 わからないなんて言ったら、中身が別人だってバレちゃうし……。
 まごついていると、料理長が言葉を足してくれた。
被料理长催促着快去使用的我,就这样脸蛋凝固了。因为我不知道使用魔法的方法啊!照这个情况来看,大概是谁也能用魔法的吧。。。怎么办。要是说我不会用,也许会暴露我不是本人。正犹豫不决的时候,厨师长加了一句
「これは魔道具の一種なので、作るときすでに魔力が込められております。術者の魔力で冷えているので、ただ箱を開け、中に入れていただければご使用いただけます」
「なるほど……!」
因为这是魔道具的一种,制作时就已经注入了魔力。它利用制作者的魔力进行冷却,您只需要把箱子打开,把东西放入里面就好。
“原来如此。。”
 魔法が使えないのがばれずに済んでよかった。
 料理長によると、上段の扉が瞬間冷凍、下段の扉が瞬間冷蔵、中段のもっとも大きい扉が冷蔵保存用とわかれているそうだ。
能不暴露不能使用魔法真是太好了。按照料理长说的,上层是瞬间冷冻,下层是瞬间冷藏,最大的中层则是冷藏保存用。
「しかし、どうして冷蔵庫はご存知ないのに、料理がおできになるのですか?」
「えっ!? それはそのー……そう! 個人的なこだわりで、普段、冷やすときは氷派なので……!」
但是,为何您会不知道冷冻库呢,却会做料理呢?
“哎?那个是,那个,因为我个人的讲究,平常都使用冰水来冷却。”
 かなり厳しい言い訳だな。
 案の定、料理長は訝しげに首をかしげているので、誤魔化すためにも瞬間冷蔵作業に着手した。
 えーっと、今はスープを急いで冷やしたいから、下段の瞬間冷蔵を開けて入れればいいんだよね。
 扉を開くと、普通の冷蔵庫と同じようにひんやりした冷気が流れてきた。
 これで本当に『瞬間冷蔵』できるのかな。
 不思議に思いつつ、教わった通りにしてみる。
 スープの入ったお鍋を入れて、一度扉を閉めると、すぐ出しても大丈夫だと教えられた。
 えっ、もう!?
 驚きつつ、扉を開けて鍋に触れると、わ、冷た……!
 すごい。本当に冷えている。
 魔法めちゃくちゃ便利だ!
真是相当强词夺理的理由。果然,料理长一副吃惊的表情点点头,为了不让事态更麻烦,我开始着手进行瞬间冷藏的工作。恩——因为我现在想快一些冷却下来,所以是打开下层的瞬间冷藏门在放进去就行了吧。打开门后,和普通的冷藏库一样涌出了一股寒气。这真的可以瞬间冷藏吗?我不可思议的想着,按照教我的试试看吧。只要把装着汤的锅放进去一瞬间就可以取出来了——他们这样说到。哎,已经好了?我惊讶中,把锅取出来,呃,好冷。好厉害!真的冷却了!魔法也太便利了。
「冷やして完成ですかな?」
冷却完成了吗?
 おじいさんはいつの間にか手に木のスプーンを握っていて、ワクワクした顔で尋ねてきた。
 私は少し笑いながら、首を横に振った。
「ごめんなさい、あともうちょっとです。――料理長さん、牛乳をわけてもらえますか?」
老爷子不知何时手中已经握起了木制勺子,满脸欢欣雀跃地问了过来。 。我笑了笑,摇摇头。“抱歉,还需要一会。——料理长,能给我些牛奶吗?”
 料理長はすぐに、冷蔵庫の中から瓶に入った牛乳を取り出してくれた。朝しぼったばかりなのだという。ありがたい。
 それを十分冷えた鍋に少しずつ加え、スープを伸ばしていく
 おたまによそって、少し高いところから流した時、わずかにとろみがあるくらいが一番美味しいのだ。
料理长快速的从冷冻库取出一瓶牛奶。据说是早上刚接的。 真是感谢。我一点点的把它加到已经完全冷却的锅里,接着把汤倒出来。 おたまによそって,从稍微高一点的地方流下,有一点粘稠程度最好吃。
 最後にもう一度、塩と胡椒で味を調える。
 器によそっていると、料理長が黙ってパセリを置いてくれた
最后在用盐和胡椒进行调味。装到盆里后,厨师长默默地把荷兰芹拿了过来。。
 お礼を言ってからパセリを水洗いして、細かくみじん切りする。
 スープの中央にパラパラッと落として飾りつけると、鮮やかな緑がいいアクセントになってくれた。
他行礼后把荷兰芹洗净,切成碎末。在汤的中央啪啦啪啦地当作装饰,鲜艳的绿色非常好看
「できた!」
完成啦!
 完成したスープを、作業台に並べる。
我把完成的汤,排列在作业台上。
「なんと、白くてとても美しいスープですな……!」
何等白色又美丽的汤啊!
 目を輝かせたおじいさんが、そう褒めてくれた。
眼睛发着光的老爷子,如此褒奖道。
「どんな味がするのか。楽しみで仕方がありません
到底是什么样的味道呢?我真是相当期待。
 こんなふうに待っていてくれる人がいると、料理も作り甲斐がある。
 あとは味つけがおじいさんの舌に合うことを願うばかりだ。
有如此等待的人在,做起饭来也更有意义。之后要是符合老爷子的口味就好了。
 作業台の脇をちゃちゃっと片づけて、壁際にあった椅子を二脚借りてきた。
 妃殿下、そういうことは私たちが……! と料理長が止めに入ってきたけれど、大丈夫ですと笑顔で返し、さっさと運んでしまった。
 小さな椅子ぐらい自分で持てるし。
我开始收拾把工作台的旁边,同时借来了墙边的两把椅子。王妃殿下,这些事是我们该做的!虽然被料理长这样说了,我也回以不要紧的笑容,流利的搬运着。小椅子这种程度我还是能拿动的。
「さあ、おじいさん。座ってください」
来吧,老爷子,请坐。
 運んだ椅子を引いて、座ってくれるよう促した。
我拉开搬来的椅子,催促他赶紧入座。
「これはこれは、ありがとう。――では、さっそくいただいてもよろしいですかな?」
「はい! どうぞ、召し上がれ」
这真是,这真是,十分感谢——那么我就直接试吃没关系吧?”
“当然。请尽情享用。”





原来如此,多谢


本帖最后由 妖精の書 于 2019-7-8 22:25 编辑


02 過労死したはずだったのでは?
最初に視界に映ったのは、悲しそうに私のことを見つめている美青年の姿だった。
 救急隊員かな?

最初映入眼瞳的是一个露出无比悲伤面容的美少年形象。

莫非是救护队员?
視線がぶつかった途端、青年が目を見開いた。
 まるで宝石のように美しい藍色の瞳をしていることに気づく。
 あ、そうか外国の人。
 浮世離れした美しさの理由がわかって、すっきりする。
我这么看着他的同时,少年睁开了眼睛。他有着一双宛如宝石般美丽的蓝眼睛。

啊,原来是外国人啊。
明白了这个人会拥有如此出众相貌的原因,我松了口气。
「……っ。意識が戻ったのか……?」


“um?取回意识了吗?”
イケボの正体は彼だったようだ。


充满魅力的男声就是他发出来的这点已经明白了。
声だけじゃなくて、顔の造りもめちゃくちゃ整っている。
 ちょっとびっくりするほどの美形である。

不仅仅是声音,这个人的容貌也无比端正,有着仿若能让人感到惊吓一般的英俊。
短く切り揃えられた艶やかな黒髪と、形のいい青い目。
 肌も白くて、人間離れした美しさだ。

油光亮丽的短发,漂亮的蓝色眼睛,以及洁白的肌肤,他有着超出常人的美丽外表。
多分、年は十七ぐらい。
 精悍さの中に、少しあどけなさが残っている。
 大人になる手前の、まだ少年っぽさを感じさせる顔立ちだ。

(男人的)年纪大概在17岁。
给人一种精明强悍印象的同时,也残留着一些天真烂漫的地方。这是马上就要成为大人,却还留有少年感觉的面貌。
涼しげな目元にどことなく色気がある

清凉透彻的大眼睛里有着无与伦比的魅力。
目が合ったら、ほとんどの女の子がドキッとするような美貌だ。
 私だって一瞬、本気で見惚れてしまった。

对上视线之后,就会明白他有着能让女生心动不已的容姿。
我也是有一瞬间,真的已经陷入了恍惚状态。
……って、それどころじゃないよね!? 

 混乱すると頭のどこかは妙に冷静になるっていうのは本当の話らしい。
 そういえば、私は倒れた時もわりと落ち着いていた。

——恩?现在可不是想这种事的时候啊!!

人在混乱的时候大脑的某处就会很微妙的冷静下来,这句话貌似是真的。
回想起来,我倒下的时候也是格外的冷静来着。
そもそも十代の男の子にときめいてどうするのだ。
 冷静さを取り戻そうと、視線を動かす。

况且我对着十几岁的男生心动是要闹哪样?
取回冷静之后,我开始观察起来(原文是动起了视线,这么翻译可能比较好吧)。
よく見たら彼、なぜか黒い軍服を身にまとっている。
 うーん。これは救急隊員じゃなさそうだな。
 もしかしてコスプレイヤーに助けられたのかな。
 深夜、鍵をかけた部屋の中に、どうやってコスプレイヤーが入れたのかは謎だけれど。

仔细一看这个人是穿着黑色的军服的。
嗯~ o(* ̄▽ ̄*)这怎么看也不像是救护队员。
我是被cosplayer救了也不一定。
虽说,区区cosplayer是如何进入夜里上锁的房间的是个谜题。
それにしても、この人なんか驚いて固まってない?


话说回来,这个人莫不是受到惊吓已经凝固了吗?
至近距離で私を見下ろしたまま、彼はさっきからじっとしている。
 もう一度、顔を見る。
 無表情なんだけど、少しだけ眉が下がっていた。
 何を思っているのかまではわからない。
 戸惑ってるの? それとも困惑してるのかな?

他从刚才开始就一直在特别近的距离内从上方凝视着我耶。

我重新看了一次他的脸。
虽然面无表情,但是他的眉毛却稍微皱了起来。
我不知道他在想着什么。他是在不知所措呢,还是说在困惑着呢?
「エミリア……。私がわかるか?」


“艾米利亚,,,,能认出我是谁吗?”
エミリア?
 誰のこと?
 そもそも、君も誰だ。

艾米利亚?那是谁啊?倒不如说,你是谁啊?
声を発しようとしたら、喉の奥がイガイガして、まともに喋れなかった。
 わかった。まず起き上がろう。

虽然想要发声,但是喉咙的深处却如同故障一般,无法说出像样的句子。
我明白了,还是先坐起来吧。
手をついて体を起こそうとしたとき、自分が寝ているのが長細い箱のようなものの中だということに気づいた。
 しかも周りが花だらけで、手の置き場がない。
 しょうがないので腹筋を使って起き上がろうとしたら、体が思うように動かなくて、箱の中にぽすっと倒れ込んでしまった。

当我双手用力准备把自己撑起来时,我注意到自己其实是睡在了一个细长的箱子似的东西里面。
而且周围满是花的装饰,我没有能放双手(撑)的地方。
没有办法,我只能改用腹部用力(仰卧起坐姿势)的方式坐起来,但是身体却不能如我所愿的行动,我还是一动不动的躺在花箱里面。
あれ。おかしいな。
 さすがにそのぐらいの腹筋はついてたはずだけど。

阿嘞?好奇怪啊?
这种程度的腹肌我应该是有的才对啊。
戸惑っていると、私の意図を察したのか、イケメンくんがわざわざ手を貸して起こしてくれた。


在我不知所措时,疑似观察我意图的帅哥君特意搭把手把我扶了起来。
わ、わわ。
 すごい。
 こういうのさらっとできちゃうのが、さすが外国の人……!

哇,哇啊。。
好厉害。
这种事也能如此干脆的做出来,真不愧是外国人。
私が楽に座っていられるように、彼はそのままの背中を支え続けてくれた。
 うわ。距離が近い。
 意識しちゃったせいで、気恥ずかしくなる。
 馬車馬のようにがむしゃらに働いてばかりだったから、色恋方面には、正直あまり免疫がないのだ。

像是为了能让我更加轻松的坐着一般,他一直支撑着我的后背没有离开。
呜哇——好近。
意识到这种事时,我变得害羞起来。
因为一直像马一样在干活的原因,说实话色情恋爱方面的东西,我着实没有什么抵抗力。
照れ隠しで周囲に目をやると、祭壇や説教台の存在に気づいた。
 それから黒服を着たたくさんの人たち。
 みんなぽかんとして私の方を見ている。

隐藏起自己的羞耻心,我环顾四周,注意到了祭坛和说教台的存在。
然后那里有许多穿着黑衣服的人。
大家都呆呆的看着我。
えーと。なんだろうこれ。
 それに、自分の部屋にイケメンが現れたんじゃない。
 なぜか私が別の場所にいるのだ。

话说,这是什么个情况?
与其说是帅哥闯进了我的家里,更像是我来到了别的地方。
混乱しながらさらに視線を動かすと、彫刻が施された柱頭や、壁に埋め込まれた精巧なステンドグラスが目に入ってきた。
 丸みを帯びた天井には、いかにもって感じの宗教画が描かれている。

持续着混乱的我看向别处,刻着精美雕刻的柱头(不该是石柱么。。)和嵌在墙里的精巧的彩色玻璃映入了我的眼帘。
圆形的天花板上,还画着给人一眼就会认为是宗教画的画。
ここ、教会だ。


这里,是教会啊。
……ちょっと待って。
 どうして教会なんかにいるんだろう。

稍微等等,为什么会有教会存在啊?
情報が入ってくるほど、状況を理解できなくなっていく。
 そんなことってある?

传入脑中的这些情报,让我渐渐陷入了理解不能的地步。
居然会有这么荒唐的事。
だんだん怖くなってきた。
 私ひょっとして、思った以上にとんでもない事態に陥っているんじゃないだろうか。

恐怖慢慢在身体里蔓延开来。
我该不会是陷入了想象以上的事件吧?
離れて見ていた人たちが近づいてくる。
 司教のような恰好をした老人たち、その後ろには黒ずくめの人々の姿があった。
 女性は皆、黒いレースのついた帽子を頭にかぶっている。
 多分、喪服だよね。
 また頭が痛くなりそう。
从远处看着的人们向我靠拢过来。那里有着如同司书般穿着的老人们,和他们身后大量黑色装束的人们。

女性也全都戴着装有黑色花边的帽子。
那些大概是,丧服吧。
脑袋又开始疼了。
なんで喪服を着た外国人に取り囲まれてるの……?


为什么我会被穿着丧服的外国人们围在一起!
「ま、まさか……。こんなことが起こりえるのか!?」
「間違いなくお亡くなりになられたのに……」

“ze,怎么会。。。。居然会发生这种事!”
“应该是毫无疑问的西去了才对啊!”
 司教たちが顔を見合わせている。
 お亡くなりになられたって何!?
 言われた途端、嫌な予感がしておそるおそる自分の寝ていた場所を見下ろした。
 棺桶だった。
「……!」

司书们都把脸面向我这边。已经驾鹤西去是怎么回事啊!?
想完,我感到一丝不祥的预感。担惊受怕的向自己方才睡觉的地方看去。
那是—— 一口棺材!
“——!!!”






本帖最后由 niaozhishi74 于 2019-7-8 21:43 编辑


03 気づいたら金髪の美少女になっていました
 それまで不気味なくらい静まり返っていたのに、周囲がにわかにざわつきはじめた。
 司教たちが取り乱した様子で、聞いたことのない呪文のようなものを唱え出す。
 その呪文がまた物騒で、よくわからない文言の中に、『悪魔よ、立ち去れ』だの『邪悪なる者よ、滅びよ』だのという言葉が混ぜられているのだ。
明明到刚才为止还静的可怕,现在四下却开始吵闹了起来。司教们慌乱着,咏唱起我从未听过的咒语。可那些咒语又引发了更大的骚动,虽然不是很理解咒文的内容,但是其中貌似混杂着“恶魔退散!”“邪恶之人,毁灭吧”之类的话。
 だめだ、だめだ。
 とりあえず、落ち着こう私。
 それで状況を整理するんだ。
不行了,不行了。总之我要先冷静下来。然后整理现状。
 ――私はいつもどおり、疲れ切って家に帰った。
 ところが突然、心臓が痛くなり、倒れて、そのまま気絶した。
 次に気づいたら、喪服っぽい服を着た外国人たちに囲まれていた。
 いやいやいや。
 気絶する前と後で、状況変わりすぎだよ!
——我比任何时候都更加疲劳的回到家。这之后突然,心脏剧烈疼痛,我跌倒了,然后就这样昏了过去。之后恢复意识时,就已经处于被穿着丧服的外国人包围的状态了。不对不对不对,昏厥前和昏厥后,状况也相差太多了吧!
「エミリア? ――どうやら混乱しているようだな。無理もない。おまえは死の淵より、戻ってきたのだから」
艾米利亚?——看起来还是很混乱啊。这也难怪,你可是从死亡边缘爬了回来啊。“
 青年が私を覗き込んだまま言う。
 よかった、このイケメンが日本語喋れて。
青年观察着我的样子如此说道。太好了,这个帅哥会讲日语。
 なぜ私がここにいるのか何か知ってそう。聞いてみよう。
 今度はちゃんと喋れるかな。
 緊張しつつ口を開く。
(而且)他看起来知道我为何会在这里,问问看吧。也不知道这次能不能好好发声。我略带紧张的开了口。
「あ、あのっ……」
那,那个。。。。
 喋ったら聞いたことのない声。
 え。え!?
 喉を抑えて、「あー」と言ってみる。
 これ、私の声じゃない……!
我说出的是自己从未听过的声音。哎。。哎?!我控制自己的喉咙,尝试着发出”啊---“的声音。这个——并不是我的声音。。
 動揺して俯くと、ふわふわしたローズゴールドの髪が視界に入った。
 なにこれ。
 思わずぎゅっと掴んで、引っ張る。
我动摇了。这样低下头后,柔软的玫瑰金色的头发映入我的眼帘。这是什么?我不禁把它们抓住,拉了起来。
……っ、痛ったー!?」
“——?好疼!?
 なんで純日本人である私の頭から金色の髪がはえているのか。
 金髪になんて染めた覚えはない。
 よく見たら肌の色も全然違う。
 掲げた手は透きとおるように白くて、華奢だ。
 それに少女のように小さい。
 しかも、キーボードをたたくのに邪魔で短く切っていた爪が、長く伸ばして整えられている。
 この手も私のものじゃなかった。
为何身为纯正日本人的我,头上能长出金色头发!我可不记得自己有把头发染成金色。仔细观察后我发现自己肌肤颜色也(和原来)完全不同。抬起的双手宛如透明一般白皙、奢华,仿如少女的手一般纤小。此外,当初我嫌敲键盘麻烦而剪短的指甲,现在也变成长而且整齐的样子。
这双手,并不是我的啊。。
 サーッと血の気が引いていく。
 もしかして、私、私じゃなくなってたりする……?
我的脸色瞬间变白,莫,莫非,我变得不是我了吗?
 なにこれ、夢?
 にしては感覚がリアルすぎる。
 それにさっき髪を引っ張った時、涙がでるほど痛かったよ!
这是怎么回事,梦吗?话虽如此我却充满了现实感。而且刚才拽头发时,能感受到要流泪般的痛楚!
 そのときふと、私がいま会社で扱っているゲームの存在を思い出した。
 不慮の事故で死んだ主人公が、異世界に転生して無双する話だ。
 ゲームの冒頭で、主人公も今の私みたいな状況に陥っていた。
 ただし喪服の人に囲まれてはいなかったけど。
那一刻,我想起了这段时间里在公司里研发的游戏的事。那是有关因为不幸车祸死掉的主人公,转生到异世界开无双的故事。在游戏的开头,主人公也也陷入了和我类似的状况。虽说没被穿着丧服的人们围起来就是了。
 これってもしかして……『異世界転生』なんじゃ……?
这难不成是“异世界转生”吗!?
 チラッとそんな考えが過った。
 ……なんて、まさか。
 あんなのは物語の中だけの話だってわかっている。
 ただ、他に私の髪や体が別人のものに入れ替わっている理由に説明が浮かばないのだ。
 あ、そうだ。
 顔はどうなってるんだろう!?
那种想法在我脑里闪过——才怪,没有这么荒唐的事。我很清楚的明白那是仅存在于故事中的事。只是,我却没有其他能够解释这种头发和身体与其他人对换的情况的理由。啊,对了。也不知道我的相貌到底变的如何了!
「か、鏡……!」
。。镜子!
 慌てて立ち上がろうとしたけれど、脚にまったく力が入らなくて、よろめいてしまった。
 また今回も、青年がさりげなく助けてくれる。
我慌乱着想要站起来,脚却并不能好好的用力,直接打了个踉跄。这次也是,被青年毫不犹豫的帮助了。
「おっと。まだ動くのはやめておいたほうがいい」
~头。还是不要乱动比较好哦”
 私の肩を軽く掴み、宥めるように青年が顔を覗き込んできた。
他轻轻抓住我的肩膀,带着如同得到宽恕般的表情窥视着我。
「でも私、確かめないと……!」
「確かめる?」
但是,我不能不确认一下!
”确认?“
 自分の外見を確認したくて、きょろきょろする。
 鏡や、その代わりになりそうな窓ガラスは見当たらない。
 現状を把握するためにも、どうしても自分の姿を知りたいのに。
 あ! そうだ。
 こうなったら――。
我为了能够确认自己的外表,开始四下张望。但是却没有发现镜子或者能够替代的窗户玻璃。明明为了把握现状,我不得不确认自己的相貌呢。啊,对了。这样的话!!
「ごめんなさい! その目、ちょっと貸して!」
「え? ……っ!」
抱歉,稍微借你的眼睛一用
“哎?——!”
 棺桶に手をつき、身を乗り出して青年の瞳を覗き込む。
 こんな大胆な行動、普段の私だったら絶対に取らないけれど、背に腹は代えられない。
 青年は驚いたのか、息を呑んで目を大きくした。
 そんな彼の藍色の瞳に映っていたのは――。
我扶着棺材,支撑身子窥视着青年的眼睛。这么大胆的行动,一般我是绝对不会做的,背に腹は代えられない。青年震惊无比,忘却呼吸的同时瞪大了瞳孔。在他那蓝色的眼睛里映照出来的是——
 ああ、どうしよう。
 まったく見覚えのない金髪の美少女に見つめ返されて、私は頭を抱えたくなった。
啊、怎么办。看着被映照出来的毫无印象的金发美少女形象,我不禁抱起了脑袋。



04 メイドたちのうわさ話
 あれから教会内は、てんやわんやの大騒ぎになって大変だった。
 司教たちによる悪魔祓い的な呪文は、あの青年が止めさせてくれたけれど、彼らと交代で、今度は医者らしき人たちが私の周りに集められた。
 とにかく診察ができる場所に移動させなければということになり、私は棺桶を担架代わりに担ぎ上げられてしまった。
 それから教会の外に運び出され、同じ敷地内にある別の建物へと移されたのだった。
那之后教会内部陷入了巨大混乱,真让人受不了。虽然青年阻止了司教们的咒语咏唱,但是在他交代些什么以后,这次换成一堆医生似的人包围我了。
总之必须要先移动到能够看病的地方,人们(如此议论着)把棺材当做担架将我抬了起来。之后我被运到教会外边,转送到城内另一座建筑里去了。
 棺桶の上できょろきょろしたり、付き添っている人たちのやりとりから、わかったことがある。
 目を覚ました場所は王宮内にある教会で、移動した先もやはり王宮内の離宮に当たるようだ。
我呆在棺材里东张西望,从陪同者们的交谈中,明白了一些事。我醒来的场所是王宫内的教会,然后将要去的则是王国内的离宫。
 離宮は敷地内でも最奥の場所に位置しているらしく、まるで何かから隠すように、ひっそりと聳え立っていた。
 体の主である金髪の美少女は、この離宮で生活していたのだという。
 建物の周囲は、農園や植林になっていて、他の建物は見られない。
 さっきの教会からもかなりの距離があった。
 もしかして金髪の美少女は、なんらかの事情でこの離宮に追いやられていたんじゃ……。
 そんなふうに心配したくなる環境だ。
离宫坐落在王城内最深处,仿若要隐藏些什么一般,单独矗立着。建筑物的周围,已经被当作了农园和树林,看不到其他任何建筑。即使同刚才的教会相比也是相当的一段距离。
莫非,这位金发的美少女是因为什么缘由而被赶到离宫的吗?——这里就是会让人产生这种心思的环境。
 ただ年代ものであっても、離宮の建物は立派だった。
 それに室内に設置された美術品や調度品は、どれもみんな、ものすごく高級そうだ
离宫的建筑虽说已经有了不少年月,但依然很壮丽。此外,室内放置的美术品和摆设品,不管哪个都是高级货色。
 粗雑な扱いを受けていたわけじゃなさそうだとわかって、ホッとする。
 見ず知らずの女の子のことだけど、うら寂しい場所に住まわされて、ひどい目にあっていたとしたら、やっぱり可哀想だしね……。
意识到少女并非是受到粗暴的对待,我放下心来。虽然是素未谋面的人,但如若她是被强行要求住在一个孤独的地方,同时忍受着人们的白眼的话,我果然还是会很悲伤。
 私が運び込まれたのは、バルコニー付きのかなり広い部屋で、リビングと寝室が続きの間になっていた。
 まるで高級ホテルのスイートルームみたいだ。
 行ったことがないけど。
 とにかくそういう印象を受けるほど、豪華な部屋なのだ。
我被送到了一间附带阳台的大房间里。还连有客厅和卧室。简直如同高级旅馆的套房一般!虽说我没有去过。。总之就是会给我如此印象的豪华房间。
 私はその寝室の天蓋付きベッドの上に下ろされ、複数人の医者から、かわるがわる診察を受けた。
 ひとりの医者が、体に異常は見られないというと、すぐに別の医者が呼ばれるという状態。
我被放到卧室的附带床纱的床上,接受着复数医师的轮流检查。只要这个医生没能检查出问题,立刻换另一个医生来诊断。
 貧血気味というか体にあんまり力が入らないぐらいで、別にどこも悪いところはない気がするんだけれどな。
 ただ、これは他人の体なのであんまり強く出られない。
虽说有点贫血经常身体没有力气,但是我可没觉得自己哪里有毛病。只是,这是别人的身体,我也不好硬说什么。
 結局、十人が同じ判断を下すまで、医者チェンジは続いたのだった。
结果,直到十个医生的意见相同为止,这种医生的轮换模式一直在持续。
 診断結果は、以下のとおり。
诊断结果如下:
「体の衰弱が見られるものの、それ以外問題なし」
除明显的身体衰弱以外,无其他问题。
 うん、そうだろうと思った。
 でも医者たちは、全員、信じられないという様子で首を捻っている。
 ちょっとちょっと。
 健康体だったんだから、そんな納得いかない顔をしないでよ。
 私の中にある金髪美少女への同情心が、一段と強くなっていく。
——就知道会是这样。但是医生们却全员露出一种绝对无法相信的表情,歪着头。喂~~原本就是无比健康的身体,你们这群人别露出这种表情啊。我对金发美少女的同情心,一下子变强了。
 青年はあれからもずっと傍に寄り添っていて、生真面目な顔で診察を見守っていた。
 医者からの見解が出ると、ただ一言「そうか」と呟いただけだから、やっぱり何を考えているのかわかりづらい。
 そのあと青年は数人の大人たちに呼ばれて、部屋を出ていってしまった。
青年自那之后也一直呆在一旁,用非常认真的表情等候着诊断结果。等到结果出来以后,却只是淡淡的说了句“是吗”便没了下文。果然不懂这个人在想些什么。最后,青年招呼大人一起退了出去。
「また様子を見に来る。それまで休まれるといい。何か変わったことがあったら、すぐ側仕えの者に言え」
我会再来看望你的。在那之前休息便好。如果(身体)有什么变化的话,要马上告诉侍女
 去り際そんなふうに言われたけれど、無表情だから心配しているのかなんなのかわからない。
 彼とこの子はいったい、どんな関係なのだろう。
临走之前青年如此说道,但是透过无表情的脸,我看不出他是担心还是不担心。他和这个孩子到底是什么关系呢?
周りの大人より、彼の方が目上であることはなんとなくわかった。
 敬意を持った態度で接せられているし、場を仕切っていたのも彼だ。
 若くても、かなり偉い人なのだと思う。
我知道与周围大人相比,一定是他的地位要更高一些。这点从周围人满怀敬意的态度和他提出交换场所不难看出。虽然年轻,但我认为那一定是个伟大的人。
 それをいうなら、この金髪美少女も。
 医者やメイドは、この子のことも『様』づけで呼んでいた。
 ただ青年に対する態度とは、なんとなく距離感が違う。
这么说来,这个金发美少女也是。不管是医生还是女仆,都用大人来称呼她。只是与对青年的态度相比,能感到些许的距离感。
 明らかによそよそしい感じがするのだ。
 彼らにとって、金髪美少女がどういう存在なのかも気になる。
那明显是夹杂着冷淡的态度。对他们而言。金发美少女到底是什么人呢?
 そして何より、私とこの子の関係性について知りたい。
 私はまだ誰にも、中身が別人であることを話していなかった。
 現状が全然把握できていないし、さすがにリスクが高すぎると思ったのだ。
 申し訳ないけれど、もう少し先延ばしにさせて欲しかった。
最为重要的是,我和这孩子之间有何种关系呢?我还没有告诉别人身体里面是不同人格这件事。毕竟还不能完全把握现状,那样做微妙风险太大了些。抱歉诸位,还是让我稍后再做汇报吧。
 首を傾げながら医者たちが出て行ったあと、私はキングサイズのベッドの上で、ひとりぽつーんと待たされていた。
 大騒ぎが嘘のように静まり返った部屋を見回し、肩の力を抜く。
 さて、どうしよう。
我对(青年的话)点点头,待医生们全都退出去后。我一人孤零零的躺在特大号的床上呆着。我环视着仿若刚才的吵闹都是假的一般安静的房间,放松了肩膀。接下来,该怎么做呢?
 休んでいろって言われちゃったし、この大きなお屋敷の中をうろうろするには、結構な勇気がいる。
已经被告知可以自由休息了,在这座巨大宅邸里转来转去也需要巨大的勇气。
 運ばれる間に見たところ、廊下にはずらりと扉が並んでいた。
 きっととんでもない数の部屋があるのだろう。
 確実に迷子になる自信があった。
仅算运送途中看到的,走廊里也满是排列整齐的门板。一定会有难以计数的房间存在的吧。这无疑会让我迷路。
 でも落ち着かないな……。
 元社畜だからか、ベッドで寝ているだけでいいと言われても、持て余してしまう。
 私の唯一の趣味である癒しグッズもここにはないし。
 二年の社畜生活によって、私は『仕事以外に何をしたらいいかわからない人間』になっていた。
但是,难以冷静。。。。是因为我是原社畜吗?即使有人告诉我躺在床上睡觉就好,我也不能大大咧咧的接受。再说作为我唯一兴趣的治愈系商品也不在这。经历了两年社畜生活的我,早已变成了“除了工作啥也不会干的人类”。
 とりあえずもう少し待っているしかないか。
 その間に状況の整理をしておこう。
总之,不先在这里躺会不行啊。趁这期间来整理状况吧。
 
私が目覚めたとき、教会で行われていたのって、お葬式だったよね……。
 しかも私は棺桶の中にいた。
 ……ってことは、やっぱりこの体の主である女の子のお葬式だったのかな。
 彼女の意識はいまどこにいるんだろう。
 まさか私が追い出しちゃったんじゃ……。
 恐ろしい想像をしてしまい、寒気がしてきた。
我醒过来的时候,教会里举行的是葬礼吧——这么说来,那果然这具身体的主人的葬礼。她的意识现在在哪里呢?该不会是被我赶出去了吧!这样进行着恐怖的想象,我感到一丝寒意。
「失礼します、エミリア様」
失礼了,艾米利亚大人!
 ノックの音が聞こえて、ハッとなる。
 エミリアという名前で呼びかけられたせいで、すぐには反応ができなかった。
 あ、そっか。
 この子がエミリアだから、今は私が返事をしないといけないんだ……!
听到敲门声,我惊了一下。因为被叫到艾米利亚这个名字,我一瞬间没有反应过来。啊,对了。这个孩子是艾米利亚的话,现在是我来回应才行啊,
 なんて思っている間に、遠慮がちな音をたてて扉が開いた。
这么想的同时,门被客气的打开了。
「エミリア様……? ――失礼いたしますね」
艾米利亚大人。。。?——请容我失礼了”
 ああっ! しまった。
 完全に応えるタイミングを逃しちゃった……!
 ここで起きていたら無視したみたいだし、仕方ないから慌てて目をつぶって寝たふりをする。
 足音の感じからして、数人のメイドたちが入ってきたっぽい雰囲気だ。
~!糟糕!完全错过了应答的时间——这里要是起来的话,没有办法我只能慌乱的闭上眼睛假装睡觉。听到足音,能感觉出有数位女仆进来的气息。
……っ! 目を瞑っていらっしゃるわ! まさかまた死んでしまったんじゃ……」
「えええええええええっ!? それは一大事よ!?」
“——!(她)合上眼了!该不会又死了吧?!
“哎哎哎哎哎哎哎!?那可出大事了!”
 死んでない、死んでない!
 数人に駆け寄られて、思わずぎくっとなる。
我才没死!我才没死!她们靠到我的身边,让我不禁吓了一跳。
 それを見て、ほっとしたような盛大な溜め息が聞こえてきた。
それを見て、ほっとしたような盛大な溜め息が聞こえてきた。


「って、やだ。のんきに眠っていらっしゃるだけだわ」
「ちょっと、驚かせないでちょうだい。あら、ほんと。熟睡されてるわ。あれだけ国中を騒がせておいて、すごい方ね」
「もっと繊細そうなイメージだったんだけれど、外見に似合わず意外と図太いのかしら」
~讨厌。只是放松的睡着了而已嘛。”
“喂,别吓我好不好。——阿拉,真的,睡的好熟。明明在国内引发了巨大骚动,真是给了不起的大人物。”
“应该是更加纤细的印象才对啊,意外的拥有和外表不相称的粗犷呢。”
 こちらを覗き込んで、ヒソヒソしている気配を感じる。
 私は、はっきり言って冷や汗だらだらだ。
能感觉到女仆们盯着这边,窃窃私语。说实话,我已经全身冒冷汗了。
 ってか、のんきって……!
 こっちが爆睡中だと思い込んでるとはいえ、ずいぶんと言いたい放題だ。
话说,什么叫放松的。。。!我明明摆出了这么大睡特睡的姿势,你们还真是敢说啊。(这里感觉翻译有误)
 でも意地悪な感じというより、噂話を面白がってしているような声の調子だった。
 それはそれで気まずいけど。
但是并没有感受到恶意,仅仅是进行着(女仆间)有趣的闲谈的样子。虽说即使这样我也很不爽。
 これは絶対、狸寝入りがバレるわけにはいかない
这里,绝对不能暴露假睡的事实。





本帖最后由 niaozhishi74 于 2019-7-10 22:32 编辑


05 異世界料理は胃にくる
「陛下のほうは今頃、国民たちへの説明のために、駆けずり回っていらっしゃるんでしょう?」
「それはそうよね。王妃が国葬の最中に蘇ったんだもの」

“陛下那边是不是在忙着给国民解释情况呢?”
“说的也是。。。毕竟是王妃在王族葬礼过程中醒了过来嘛!”
 えっ。
 王妃に、国葬って――。
 金髪美少女、王妃だったの……!?
 しかも教会で行われていたのは、私が予想したとおり、金髪美少女の葬儀だったのだ。

哎?王妃。。。在王族葬礼中——这个金发美少女,是王妃吗?!而且,如同我预想的那般,教会里举行的果然是她的葬礼。
 まさか、そんな子の中に、意識が入ってしまうなんて……。
 とんでもないことになってしまった。

没想到意识居然进入了这种人的身体里!事情变得大条了!
 気づいた途端、さっきまでとは違う冷や汗が、まだ湧き上がってきた。
意识到这点后,我又冒了全身冷汗,在不同意义上。
「でも、死者が蘇るなんてことが本当にあるのかしら。なんだか不気味だわ」
「もしかして死んだ方が影武者で、棺桶に入る前に本物と入れ替わったとか……」
「もう、そんなわけないじゃない。影武者をつけるなんて、この国が安全じゃないって疑ってるようなものだし、国際問題よ。下手したら戦争になりかねないわ」

“但是,人死而复生这种事真的有吗?总觉得有点毛骨悚然。”
“或许死的是影武者那边,然后在装棺之前把真人换进去也不一定。”
“你啊,不可能是那样的嘛!使用影武者就好像是在怀疑这个国家不安全一样,那可是国际问题哦。处理不好还会演变成战争。”
 え、そうなの!?
 偽物に変わってるって思われたら、大変なことになるんだ……。
 これは軽々しく中身が別人なんて言い出せないよ。
 ついうっかり自分が別人だって口走らないように気をつけなくちゃ……。

哎?这么严重嘛!如果被人认为(人格)被换成了假货,貌似会发生不得了的大事。这下我不能轻描淡写的说出事情真相了,得小心别说漏了嘴。
「こら、あなたたち。殿下の御前でなんですか。もしお耳に入りでもしたら、職を失いますよ」
“吼啦,你们这群人。在殿下面前说些什么。要是被王妃听到,当心职位不保!”
 焦りまくっている私の耳に、新たな足音が聞こえたてきたと思ったら、年配の女性の声が、噂をしていた女の子たちを叱りつけた。
被女仆们不断刺激的耳朵里,响起了新的脚步声,紧接着就有一个年长的女性训斥女仆的声音传来了。
「エミリア様が女神の神託によって、陛下のお妃に選ばれたことを忘れたのですか?」
「す、すみません!」

“艾米利亚大人可是作为女神的神托选为王妃的。你们难道忘了吗?”
“属,属下失职。”
 女の子たちが、慌てたように散っていくのも気配でわかる。
 たしかにこの体の主が王妃ならば、さっきのうわさ話の内容には、かなり問題がある。
 王妃の悪口なんて、ご法度じゃないの?
 しかも寝ているとはいえ、本人のいる場所で話題に出すとは大胆すぎる。

能感受到女仆们慌忙散去的气息。如果这具身体真的是王妃的话,刚才那些闲谈就颇有些疑点。他们竟敢对王妃恶语相向,莫非没有王法吗?即使本人已经睡着了,在我面前肆无忌惮的交谈也大胆了。
 金髪少女のおかれていた環境は、やっぱりちょっと普通じゃなかったのかもしれない。
 うわさ話を止めてくれた女性のたしなめ方も、庇ってくれたのとは違う感じだったしなあ。

金发女生产的环境,果然不太普通也不一定。刚才制止女仆们闲谈的女性的说话方式,与想要保护我也有着些许不同。
 もし周りが敵だらけだったら、どうしよう。
 中身が入れ替わっていると相談できる相手すら、見つからない可能性もある。
 気が滅入ってくのを感じたとき、ベッド脇から声をかけられた。

如果周围都是敌人的话,我该怎么办啊!找不到人说明内在已经换成别人的可能性也不是没有。正在我一个劲的消沉的时候,床边有人搭话过来。
「妃殿下、起きてくださいませ。医師の命により、滋養の付くお食事をお持ちいたしました」
“王妃殿下,请起床。奉医师的命令,已经为您准备了滋补身体的食物。”
 よかった。
 これで狸寝入りは終了だ。
 私はできるだけ自然に見えるよう、「うーん」と唸りながら目を開けた。

太好了。这下子就不用在装睡了。我尽可能自然的发出“恩?”的声音睁开了双眼。
「お加減はいかがですか?」
“您身体状况如何?”
 私を起こした女性は、黒いワンピースにレースのエプロンを身にまとっていた。
把我叫起来的女性,身上穿着蕾丝围裙的黑色连衣裙。
 服装から彼女が侍女であることがわかる。
 年齢は、四十代後半くらい。
 ひとつにまとめて縛った髪は、丁寧に撫でつけられていて、後れ毛一本、零れていない。
 多分、すごく几帳面な人なのだと思う。

从服装上看我能明白他是侍女。年龄大概是45岁左右。绑成一捆的头发也被无比细心的梳理过,一跟杂乱的发丝也没有。
「妃殿下?」
「あ、すみません。具合は大丈夫です」

“王妃殿下?”
“啊,抱歉。身体已经没问题了。’
 さっき決意したとおり、別人が中にいることは黙っておかないとまずいよね。

 でも、それって人としてどうなんだろう。
 騙してるのと変わらないしな。
 でも国際問題……。
 とにかく、この体の持ち主に迷惑がかかることだけは避けたい。
 ただ困ったことに、私は金髪美少女の性格や口調を知らない。
 とりあえず口数を少なめにして、なんだか変だと指摘されたらその時は……、死んだショックで気が動転したことにでもしよう。うん。

就像我刚才下的决心那般,如果不能彻底隐瞒内在被换成了别人的话,恐怕会变成不得了的大事。但是,这作为一个人又如何呢?我欺骗他人的事实不会改变。但是国际问题。。。
让人困扰的是我不知道这位少女的性格和口癖。总之先装成尽量少说话的样子吧,等周围人觉得奇怪时,就说这是死了受到惊吓心情改变了把。
「お食事を用意しましたが、少しでもお召し上がりになれますか?」
“餐饭已经准备好了,能不能多少进食一些呢。”
 彼女に食事をと言われて、少し迷った。
 言われてみれば、おなかが空いている気がする。
 それに、病み上がりの時のように、体がぐったりししているのを感じる。
 栄養をつけたほうが良さそうだ。

听她说到食物一事,让我有些困惑。但是说完,连我我也觉得肚子饿了。而且,我能感觉到身体就像大病初愈一样虚弱。摄取一些营养或许比较好。
 ごはん、もらってもいいかな。
 さっき女の子たちが言っていたとおり、この状況で食べようと思える辺り、確かに私ってのんきなのかも知れない。

餐饭,我直接享用真的好吗。如同刚才女仆们所言,这个状况下如果我选择想要进食的话,会被周围认为很悠闲也不一定。
 ただ食べることを想像したら、胃の辺りにきゅうっとした痛みを感じたので、口にできるものは限られていそうだ。
只是当我想象了一次吃饭以后,胃里就感到一阵一阵的疼痛,看样子我什么都能塞进嘴里。
 そりゃあそうだよね。
 金髪美少女が、亡くなってからどのぐらい経つかわからないけど、その間食事をとっていなかったわけだし、万全の状態ではないのだろう。
 いきなりがっつり系のものを食べたりしたら、胃を驚かせてしまいそうだ。

这也是当然的啦。虽不清楚金发美少女自死了以后过了多长时间,那之间断然没有吃过任何东西,身体也肯定不在万全状态了。如果突然就吃面条类食物,胃或许会受不了。。。
 フルーツとかスープとか、何かさっぱりしたものをいただけるとありがたい。
 遠慮しつつ、申し出を受けることにした。

要是能有些水果和汤这种清淡的东西就太好了。一番考虑后,我决定接受她的建议。
「えっと。それじゃあ、お願いできますか?」
“爱豆。那么,能拜托你吗?”
 私がペコっと頭を下げると、侍女さんは怪訝そうな表情を浮かべた。
 げっ。私、何か変なことをしたのかな。

我刷的一下低下头后,侍女浮现出无比震惊的表情。
「あの……」
「申し訳ありません。では、お支度をさせていただきます」

“那个。。。。”
“属下失礼了。那么请容许我为您准备。”
 不安になって問いかけたら、言葉を被せるように謝られた。
 取りつく島もない感じの態度で、ピシャッと言い切られてしまい、口を噤む。
 なんだかわからないけど、必要以上に関わる気はありませんという態度だ。
 この人も味方ではなさそうだ。
 相手がそのつもりならしょうがない。
 私は黙ったまま体を起こし、準備が整うのを待った。

我感到不安准备询问些什么时,被女仆用谢罪的话盖了过去。取りつく島もない感じの態度で、ピシャッと言い切られてしまい、口を噤む。虽不知道是怎么回事,但那是不想扯上更多关系的态度。这个人貌似也不是友军呢。既然对面没有这个打算我也没有办法。我无言的爬起身,等待着人们准备饭菜。
「ネル、食事をここに」
“内璐,饭菜送来这边。”
 侍女さんがパンパンと手を叩くと、キャスター付きワゴンを押した若い女の子が部屋に入ってきた。
 髪を肩くらいで切りそろえた、物静かそうな女の子だ。
 彼女は俯き気味に視線を伏せ、粛々と食事を運んだ。

侍女啪啪的拍了拍手,只见一个推着餐车的年轻女子走了进来。那是一个留着整齐的齐肩长发,十分文静的女子。她低着头压着视线,严肃的运送着食物。
 んんっ!?
 ワゴンの上に載った料理を見て、ぎょっとなる。
 なんか、量多くない……?

厄。嗯?看到餐车上的食物我惊呆了。这个量是不是有点太多了。
「さあ、妃殿下」
“来,王妃殿下”
 ベッドの上に、トレイごと料理が渡される。
 食器の上にかぶせられていた銀の蓋が開けられると、白い湯気と共に、もわわんと濃厚な匂いが香った。

床上端来料理和饭菜。待打开银光闪闪的盖子后,一股浓郁的香味和白色的雾气一起散发出来,
 こ、これは……。
这,这是。。
 並べられた料理を前に思わず絶句する。
我看着并排的料理无语了。
 真っ黒に近いデミグラスソースの中に、ごろごろと浮かぶお肉の塊。
 スープの表面は脂でコーティングされたかのように、透明な層が出来上がり、テラテラと光っている。
 かなり濃厚なソースであることは、口に入れなくてもわかる。
 とても豪華だし、きっとおいしいのだろう。

在接近漆黑的Demicrace酱汁中,咕噜咕噜浮现着肉块。汤的表面就像用油涂了一般,形成了发出闪烁光芒的透明层。即使没吃也能看出这是相当浓厚的调味汁。既然如此奢华,恐怕也很美味吧。
 でも、残念ながら病人向けの料理からは程遠い。
 衰弱している私の胃が、抗議のようにずんずんと暴れはじめた。
 漂ってきた匂いにうぷっとなり、慌てて口を押える。

但是真遗憾,这和给病人吃的料理可差远了。我那衰弱的胃,现在就已经发疯似的抗议了。
传播开来的气味刺激着鼻孔, 我慌忙捂住嘴巴。

「本日の食前のスープは、『牛ヒレ肉の背脂赤ワイン煮込み』でございます」
「しょ、食前……!? これってメイン料理じゃないんですか!?」

“今日用餐前的汤饮是“红葡萄酒炖牛里脊肉””
“用餐前?这难道不是正经饭菜吗?”
 侍女さんの片眉が、訝しげにピクリと上がる。
侍女扬起眉毛,无比震惊的样子。
「本日のメインは、『バター漬け肉のフォアグラキャビアかけ』でございます」
“今天的正餐是“浇黄油腌肉酱鹅肝酱”
 だめだ。
 食べれる気がしない。
 ていうか食べたら、絶対吐いてしまう!

完蛋了。完全不觉得吃的下去。倒不如说真的吃了的话,绝对会吐出来。
「ごめんなさい! 食欲がないので、メインは結構です……!」
「まあ……。本日は致し方ありませんが、おからだの健康を取り戻すためにも、できるだけ残さず召し上がれるようになってくださいませ」

“十分抱歉!今天没什么食欲就不用上正餐了”
“嘛,今天虽然没有食欲,但为了您的健康着想,还是尽可能的多吃几口吧。”
 こってり系フルコース以外を用意してもらえるなら、という言葉はなんとか飲み込み、スープに視線を戻した。
如果准备浓郁系以外的餐点的话我就吃-———我吞回这句话,将视线转回到汤上。
 正直、メインだけでなく、このスープもかなり厳しい。
 でも用意してもらっちゃったしな。
 手を付けずにいらないなんて言えなかった。
 臭いは濃厚だし、かなり脂が浮いているけど、実は病人向けの優しい味をしているかもしれない。

即使不用真正的饭菜出马,单单这份汤就够我受的了。但是都已经为我准备好了,不能不吃啊。我说不出不吃这种话。虽然相当的浓厚,也浮着相当多的油脂,但没准是专为病人准备的温柔味道也不一定。
 よ、よし!
 いくぞ!

好。。好!我要吃辣!
 スープを掬い取って、口に運ぶ。
我舀了一些汤送入口中。
 ………………うっ。
嗯……
 なんだかよくわからない脂の香りが鼻を抜けていく。
 こってりとした汁が、舌にとろりと絡みついてきた。

总觉得有股不明所以的油脂香味在刺激自己的鼻孔。
然后浓厚的汤汁回荡在舌头上。

 これは思ってた以上に重い。
这比我想的还要浓厚!
 しかも、しょっぱくてドロッとしていて、とにかく強烈な味つけがなされている。
而且还咸的粘粘忽忽的,总之就是带着非常强烈的味道。
 だめだ。
 これ以上、口の中に入れておけそうにない。
 勇気を出してゴクッと飲み込んだら、ぶるぶるっと震えが駆けあがってきた。

不行了。我没法在把这东西吃进嘴里了。鼓起勇气吃了一点,就已经直打哆嗦了。
 や、やばい。
遭,糟糕。
 今度は本格的にえずいてしまった。
 なんとか戻さずに済んだけれど、今のスープをこれ以上飲むのは不可能だ。

这次恐怕真的要驾鹤西去了。好不容易缓过劲来,但在这以上继续喝汤是不可能了。
「妃殿下!? どうされました?」
“王妃殿下?怎么了?”
 侍女さんが駆け付けてきて、背中をさすってくれる。
 その手つきは意外にも優しい。
 私はかろうじて息をつくことができた。
 もしかして、敵視されているわけではないのかな。
 それならいいんだけど。

侍女靠过来,抚摸着我的背。那个手法意外的很温柔。我艰难的恢复了呼吸。
难不成,并没有敌视我吗?真要那样就好了。

「やはり体のお加減が悪いのですか?」
「そ、そういうわけじゃないとは思うんですが……。ちょっと今は、食事をとるのが難しいみたいです……」
「もう一度、医者を呼び戻しますか?」
「あ、いえ、それはいいので……すみませんが、このスープはそのぉ……」
「わかりました。ネル、食事をお下げなさい」
「はい」

“果然身体状况还是不好吗?”
“并不是那样,只是现在要吃饭似乎有点困难”
“要我帮您去叫医生吗?”
“那就不用了,只是很抱歉,这个汤实在是。。”
“我明白了,内璐,把饭菜端下去。”
“是。”
 ワゴンを運んでくれた女の子が、静かに頷いてスープ皿を片付けてくれた。
 侍女さんたちには、今日はもう休みたいと伝えて、部屋にひとりにしてもらった。

推着餐车的女子,静静的颔首,开始收拾餐盘。我向侍女们传达今天想早点休息之后,她们留下我都退了出去。
 彼女たちが去っていき、部屋に一人きりになった途端、私はベッドにボスッと倒れ込んだ。
 確かに空腹を覚えていたはずなのに、食欲は一気に減退している。
 まだ部屋に残っている匂いに対して、胃が抗議をし続けているのだと感じた。

待侍女们全都退下,房间里只剩我一人以后,我直接扑进倒在床上。明明肚子应该很饿才对,食欲却一下子衰减了。之后闻到房间里残留的香味,我的胃又开始抗议了。
 それにしても、なんで病人にあんな濃厚なスープを出そうと思ったんだろう。
话说回来,为什么会给病人准备那么浓厚的汤饮呢。
 その疑問の答えを私が知ったのは、翌日。

 衝撃的なことに、なんとこの国の料理は、尋常じゃなく濃厚でしつこいこってり系のものしか存在しないのだった。
当我知道这个问题的答案时,那已经是明天的事了。
对我造成冲击的是,这个国家里除了浓厚的不能再浓厚的浓郁系料理以为,没有其他料理了。





本帖最后由 niaozhishi74 于 2019-7-12 08:12 编辑


06 空腹を満たすための計画を練ります
 棺桶の中で私が目覚めてから、五日が経った。
 私は今、満たされないおなかを抱えたまま、ぼんやり窓の外を眺めている。
 就職以来、何もすることなくぼーっとしている時間は久しぶりだ。
 これで空腹じゃなければ、のんびりできたのにな。
 結構な飢餓状態で、全然気持ちが休まらない。
 それならいっそ、気がまぎれるようなことをしていたいんだけど、「お体のためにも安静にしていてください」と言われてしまい、何もさせてもらえないのだ。
从我爬出棺材开始算起,已经过去了五天。我现在正抱着自己饥肠辘辘的肚子悠闲的望着窗外。自工作以来,已经好久没有度过这种无所事事的时间了。如果不是肚子太饿,就是无比欢乐的时光的说。相当程度的饥饿条,也让我没有办法好好回复。当初还想着做些让自己解闷的事情来着,结果却被人说着“为了您的身体着想,请安静的休息”之类的话,啥也干不了。
 健康だという主張は、全然聞き入れてもらえない。
 もしかしたら彼らには、この体の主の自由を奪っておきたい事情があるのかも……。
 そんな邪推をしたくなるほど、ストレスが溜まってきていた。
我完全不想听那些所谓为了健康着想之类的话。该不会那些家伙,是想夺走身体主人的自由吧。我边想着这些有得没得,压力也在不断的积累着。
 コミュニケーションを取れる相手がいないのも悪いんだと思う。
 他人と言葉を交わせる機会は一日三回、朝昼晩の食事時だけだ。
 それも話し相手の侍女さんたちは、必要最低限の会話にしか付き合ってくれない。
 体の持ち主である金髪美少女エミリアちゃんも、今までずっとこんな日々を過ごしていたんだろうか。
缺少能够交流的对象大概也是让我感到压力的原因。能和别人说话的机会仅仅是早中晚三餐时才有。和我交谈的侍女们却又只说最低限度的话。身体原主人的金发美少女艾米利亚也是每天过着这样的生活吗?
 正直言うと、寝て起きたらもとの体に戻っているかなってちょっと期待していた。
 でも状況は同じまま。
 異世界転生したという可能性を、疑う理由が徐々になくなってきた。
说实话,我期待着当我哪天早上醒来时身体已经恢复了原状。但是却从未实现。我越发坚信自己发生了异世界转生的现象。
 若し私が異世界に転生しちゃったなら、もとの世界はどうなっているんだろう。
 あのとき死ななければ、いまごろ元の世界ではゲームの納品に向けて追い込みに入っていた。
如此年轻的我进行了异世界转生的话,原本的世界会怎样发展呢?我要是还活着,现在应该已经在那个世界里忙着进行游戏的交货了。
 向こうにおいてきてしまった私の体は、ちゃんと発見されているかな。
 過労死したOLとして、両親に連絡がいっているのかな。
 郷里にいる父と母の姿を思い出し、肩が落ちる。
 親不孝な娘でごめんなさい、お父さん、お母さん……。
也不知道我被扔在那边的尸体能不能被人们发现。会被(警察)当作过劳死亡的ol和父母进行联系吗?想到住在小乡镇的父母,我失落的垂下肩膀。请原谅孩儿的不孝,父亲,母亲。
 家族のことを思うと、ホームシックにかかった時のように寂しくなり、言葉に出来ないような不安に襲われる。
 だから今は、できるだけ両親のことを思い出さないようにしていた。
一旦想起家族的事,我就会沉浸在强烈的乡愁之中,一股难以言表的不安也会向我袭来。所以现在,我尽可能的不去思考父母的事。
 未知の場所にいて、感情が乱れているのはよくない。
 とにかく落ち着いて、ひとつひとつ対処していかないと。
身处未知的世界,任由感情暴走并非好事。总之先冷静下来吧,凡事都需要一件一件来处理。
 この体の主であるエミリアちゃんの精神がどうなってしまったのかも、未だにわかっていなかった。
 何度か心の中で彼女に話しかけてみたりしたけれど、応答はない。
这具身体的主人的精神到现在也下落不明。我虽试着在心中向她搭话,却也没有回应。
 もしかして私が彼女の精神を追い出して、体を乗っ取っちゃったんじゃ……。
 それとも彼女は本当に死んでしまって、抜け殻の体に私の魂が定着したのだろうか。
难不成真的是我把她的精神敢走然后霸占了这个身体吗?。。。还是说她真的已经死了,然后我飘荡的魂魄把这具身体当作了寄托呢?
 私がエミリアちゃんの中に入ってしまっていることを、周囲にずっと黙っているのも気が引ける。
 だけど私の存在を打ち明けても、エミリアちゃんの立場が悪くならない相手を見極めるのは難しい。
 影武者だと疑われて、国際問題に発展したら困るし。
 エミリアちゃんにとって、誰が信頼できる人なのだろう。
我占据了艾米利亚酱身体这件事,一直对周围保密也很过意不去。但是即便我挑明自己的存在,找到一个能保证艾米利亚的立场不会更糟的人也很难。要是被怀疑成影武者的话,发展成国际问题可就真的困扰了,艾米利亚酱应该,也有几个值得信赖的人吧。
 せめてエミリアちゃんがどういう理由で亡くなったのか知りたい。
 でも自分の死因を聞いたりしたら、変に思われるかな。
 しまったなー。
 いっそ異世界転生でよくあるように、ショック状態による記憶喪失のふりでもしておけばよかった。
 そうしたら今よりは情報を集めやすかったのではないだろうか。
至少让我知道艾米利亚是为什么寻死的啊。但是,知道自己的死因的话,我难免不会产生些别的想法。糟糕了啊——干脆装成异世界转生的常有桥段,震惊过度而失忆吧。那样的话,要收集情报也会比现在更容易些吧。
 いや、それもどうかわからない。
 何しろ一日に三回しか、他人と会話をする機会がないのだ。
不对,能不能收集到情报还不确定。毕竟我一天到晚也只有三次和别人说话的机会啊。
 離宮に移され、医師の診察を受けてから、私が顔を合わせる相手は侍女さんたちだけになった。
 だから私が話せるのは、ほんの数人だけ。
从转移到离宫接受医生们的审查开始,我能见到面的人就只有侍女们了。所以能和我说话的人少之又少。
 まずは相変わらず他人行儀で、必要以上に口を聞いてくれない侍女長さん。
 彼女は必要最低限の返ししかしてくれないけれど、会話が成立するだけいい方だ。
 その下についている若い侍女さんたちは、私が声をかけようとするだけで、蜘蛛の子のようにサーッと逃げていってしまう
首先是一成不变行着客套礼仪的,非必要绝不开口的侍女长。她虽然只会回复我必要的最少信息,但从成功对话角度讲却是不错的一个人。她剩余的手下们,单单是我去打招呼,就已经像小蜘蛛那样四散而逃了。
 こんな状態では、情報を集めるどころではない。
这可不是能够收集情报的状态啊。
 焦ったって仕方ないのはわかっていても、自分だけの問題じゃないから、どうしても気が急いてしまった。
虽然知道不能着急,但因为着不是自己一个人的问题,所以总会不知不觉中烦躁起来。
 はあ……。
 エミリアちゃん、あなたはどこにいるの?
哈。。。艾米利亚啊,你到底在哪呢?
 エミリアちゃんのこと以外にも、私の頭を悩ませ続けている問題がある。
 それはもちろん、この世界のごはん事情についてだ。
除了艾米莉亚酱的事情以外,也有其他一些让我头大的问题。不用说,那是这个世界晚饭的事。
 毎食すべてのメニューが、脂の浮いた濃厚料理ばかり。
 あの日のメニューが特別だったわけじゃないと気づいたときの衝撃は、今でも忘れられない。
 とにかくこの世界の人たちは、脂っこくて濃い味付けの豪勢な料理に目がないらしい。王族や貴族だと一日三食、あんな料理をテーブルいっぱいに並べて食べているらしい。
一日三餐顿顿都只有浮着油脂的浓厚料理!!!!我到现在都还记得,知道那天的饭菜并不是仅此一份的时候,自己受到的冲击。总之这个世界的人们,貌似对那些油腻浓厚的豪华料理喜爱不已。无论王族还是贵族,都会在进食时摆满那种饭菜。
 そういえばお葬式の参加者たちは、ふくよかな体型の人がやけに多かった気がする。
 この世界の料理を毎食がっつり食べていたら、そりゃあそうなるよね。
这么说来参加葬礼的人们也是,丰满体型的较多来着。这个世界的人们一直吃那种食物,也难怪会长胖。
 ただあの料理を毎食平気で食べられるほど強靭な胃袋を持っていることは、素直にうらやましい。
 私はというと、初日のようにえずきはしなかったものの、毎食出されるこってり系のメニューには、ほとんど対応できずにいた。
 おなかは空いている。
 でも手が伸びない。
 そういう状況がこんなにしんどいものだとは思っていなかった。
只是他们有着一直吃那种饭吃不坏的胃这点,倒挺让人感到羡慕。说到我,虽然没有像第一天那样恐惧,但是每顿饭都吃如此浓厚的饭菜,真是让人吃不消啊。肚子已经空了,但是不敢去吃。没想到自己的状况会是如此的悲惨。
二日目辺りで早々に我慢できなくなり、味付けのさっぱりしているものを食べたいと遠回しに伝えてみた。
 すると、厨房から『さっぱり』というものが何をさすのかわからないという回答があった。
 たとえばソースをかけず、塩味だけでもいいと伝えたてみたら、今度は料理長が困っていると言われた。
早在第二天左右我就已经不能忍受了,于是委婉的告诉他们我想吃些清淡的东西。这之后,却从厨房传来了不知道清淡是什么意思的回复。我告诉她不要放调味汁,只放盐试试,这次却换成侍女长困惑不已了。
「そんな下ごしらえの段階で、妃殿下の食卓にお載せすることはできない」と主張されたそうだ。
 だったら食材だけで出してくれないかと提案したけれど、それも同じような理由で却下。
 なんというか、文化の違いを強く感じずにはいられない。
那种下三滥的水准,不能出现在王妃的饭桌上。”——被这样说到。那样的话能不能只给我些食材呢,我这么提案后,被以相同理由回绝了。咋说呢,文化的差异实在太强列了。
 どうやらこの世界の料理人は、味の強い濃厚なソースを作る技術があってこそと思われているらしい。
 それだと私の注文は彼らの技術を全否定しているのと変わらなくなってしまう。
看来这个世界是,能够制作味道强烈而又浓厚的调味汁的人,才会被看作厨师。那样的话,我的要求就同全盘否定他们的技术一般没什么区别了。
 ただでさえ周りとの距離があるのに、ここにきて料理人まで敵にしたくはない。
 結局、食は進まないまま、さらに五日が経った。
明明周围的人们已经和我保持距离,到如今可不想在把厨师变成敌人。结果就这样,维持着没怎么进食的的状态,又过了五天。
 あまりにも食事量が少ないので、体調不良を心配される始末だ。
 私も正直、同感だ。
 エミリアちゃんの体は痩せているから、これ以上体重が落ちるのは、絶対にまずい。
 最近、体に力が入らない気がするし。
 この体は借りているだけだし、いつか返すことになるかもしれないと思うと、責任を感じる。
因为吃的实在是太少了,他们开始担心自己的身体状况了。真巧,我也是同感。艾米利亚酱的身体原本就偏瘦,要是在继续掉几斤肉的话,那就要不得了啦。最近,已经注意到身体使不出力气了。既然是借来的身体,总有一天肯定是要还回去的,我有(照看好它)的责任。
 よ、よし……。
 もう一回、戦ってみよう……!
好!在战一次!
 その日、食事の準備が始まるのと同時に、私は侍女長さんに声をかけた。
 意を決して、自分で作るから厨房を貸してくれと頼んでみたら、侍女長さんは怪訝そうな顔をした。
那天,在开始准备餐饭之前,我叫来了侍女长。我下定决心请求她把厨房借给我,要自己做饭之后,她露出了难以置信的惊讶表情。
「申し訳ありませんが、妃は厨房などに出入りするものではありません」
真是非常抱歉,王妃不能出入厨房那种场所。
 うん、常識的に考えればそうだよね。
 でも、私も健康がかかっている。
 どうしてもと食い下がったら、困惑気味に「陛下の許可がないと、厨房へお通しすることはできません」と言われてしまった。
恩,从常识考虑是这样没错。但是,这事关我的健康。我咬住不放,侍女长无比困惑,说“没有陛下的许可,您不能去厨房那。”
 うすうす気づいていたけど、やっぱりそうか。エミリアちゃんは、出歩ける場所が制限されているらしい。
 これまでも、あれと思うことが多々あった。
 たとえばバルコニーに顔を出しただけで、侍女長さんがすぐに飛んできて、部屋の中に引き戻されてしまう。
 部屋に誰もいないからいいだろうと、こっそり外に出ても、やっぱり即座に侍女長が現れる。
 あの人、センサーでもついてるんじゃないか?
 現代日本で同じ目にあったら、GPSでもつけられているんじゃないかと疑っているところだ。
虽然已经略有察觉,果然是这样。艾米利亚酱,你有着出入场所的限制啊。到现在为止,也发生过类似的事。比如说,仅仅只是从阳台把脸探出去,侍女长就会飞奔过来,我把拽回屋里。正好房间里空无一人准备悄悄外出时,果然又撞见了侍女长。那个人该不是带着传感器吧。要是在日本受到如此对待,我就要怀疑自己是不是被人设置gps了。
 監視されていると思うと息が詰まる。
 厨房や庭ぐらいは好きに出入りさせてほしいんだけどな。
一想到自己被监视着就难以呼吸。至少希望自己能自由出入厨房或者庭院这种地方啊。
 国王陛下の許可をもらえればいいらしいから、頼んでみるか。
貌似得到国王的许可就会同意,试试拜托看吧。
 陛下と言えば――。
 私が棺桶で目覚めた日、初めて視界に入った例の青年が国王陛下だったのだ。
 御年、十七歳。
 その若さで一国を背負っていることにも、奥さんがいることにも驚かされた。
 まあ、エミリアちゃんなんて十五歳で嫁いできているんだもんね……。
 現代日本とは、感覚が全然違う。
 でもふたりとも浮世離れしたきれいな顔をしているから、美貌の若夫婦が並んだ姿は、さぞかし絵になったことだろう。
说到陛下——那天我从棺材里醒来第一眼看到的就是了。。现年,17岁。这个岁数就又是管理国家又是娶妻的,真让我惊讶。啊,艾米利亚好像也是15嫁过来的来着。。。。果然和现代日本有很大差距啊。但是他们二位都有着超凡的容貌,要是能站到一起,想必会成为一幅美丽的画卷吧。
 ただ外見のお似合い度のことは置いておいて、ちょっと引っかかることがある。
 私が異世界転生してから、今日で十日も経つのに、国王陛下はあれから一度もエミリアちゃんに会いに来ないのだ。
但是外表的相性度先不管,我有些好奇的地方。我异世界转生到今天已经是10天了,国王自那以后一次也没有来看望过艾米利亚。
旦那さんなら、今の状況を説明して、エミリアちゃんの精神の在り処について相談できるかもと期待していたから、これはかなり肩すかしを食らった気がした。
既然是丈夫,原本还期待着能说明一下现在的状态,聊聊艾米利亚的精神所在地来着。这还真是让我扑了个空。
 一度死んで蘇ってきた奥さんの前に、何日も顔を出さないのって、この世界では普通のことなんだろうか。
还是说在这个世界里,对死而复生的妻子,数日间不去探望,是很普通的吗?
 王族同士だから、多分、政略結婚だろうしな。
 いわゆる仮面夫婦だったのかもしれない。
 侍女さんたちのうわさ話によると、王妃が生き返った件で奔走しているらしいし、もちろん単に忙しい可能性もある。
既然同为王族,恐怕这是政治婚姻吧。也许这就是所谓的假面夫妇(⊙﹏⊙)!但是根据侍女们的闲谈,国王在为着王妃复活的事四处奔波,没准只是很忙也不一定。
 どちらにせよ、一度会いたいとこちらか申請してみてもいいだろう。
不管是什么原因,还是由我这边申请一次会面吧,
 そう結論を出し、陛下に会わせてほしいと頼んだら、侍女長はやっぱり難しい顔をした。
待我得出这种结论,向侍女长传达了请求与国王见面的请求后,她果然露出一脸为难的表情。
「あまり妃殿下の方から会いたいとおっしゃるのは、慎みがなくて好ましいことではありませんよ」
「でも、お話したいことがあるんです」
「はぁ……。わかりました。お伝えしておきます。しかし、いつお許しが出るかはわかりませんので」
「二、三日待たされる感じですか?」
「なにしろご多忙な方ですから。公的な面会のご予約は、一年先まで埋まっていると聞いておりますが……」
从王妃这边申请会面的话,可不是什么谨慎优秀的行为哦。
”但是,我有想要传达的话。“
”哈~我明白了,我会替您转达陛下的。但是,到底何时才能下达许可我没有办法保证“
”感觉要等个两三天吗?“
”毕竟那是为公务繁忙的大人。公共场合会面的预约,听说已经排到一年以后去了。“
 まさか私も一年後まで会えないの!?
 国王陛下と会う前に、ご飯が合わなくて死ぬかもしれない。
难不成我也要等个一年?!在见到国王以前我或许就已经因为饭菜不合胃口饿死啦。
 こうなったらもう、自分一人の力で解決させよう。
 調理はできなくても、そのまま食べれる食材を入手するだけでだいぶ違うはずだ。
 たとえば野菜とか、フルーツ。
这样的话只能由我一个人解决了。虽然不能烹饪,但是能搞到可以吃的食材的话就会大不一样。比如说青菜啊,水果啊。
 新鮮な野菜の味を想像した途端、おなかがぐーと虚しく鳴った。
 さんざん我慢してきたせいだろうか。
 居ても立っても居られなくなってきた。
就在我想象着新鲜青菜的味道的同时,肚子也跟着咕咕叫了起来。差不多已经不能忍受了吧。变得坐立不安了。
 私は足音を忍ばせて、リビングを横切った。
 侍女長さんに見つかったら止められるだろうから、こっそり抜け出さないと。
 よーし、この体が求めている食べ物を見つけ出してみせる……!
我蹑手蹑脚的穿过客厅。要是被侍女长发现了绝对会被带回去,必须要小心些才行。好。我就找出这个身体需要的食物给你看。





07 秘密の野菜畑

そーっと扉を開けて、廊下を伺う。
我小心的打开门,偷偷的往外看。
 辺りに人はいなさそうだ。
周围似乎没有人的样子。
 侍女さんたちが食事時以外、私に寄りつかないのが功を奏した
这都要归功于侍女们在吃饭以外的时间里都不靠近过来。
 ここからはどうしよう?
但这之后要怎么办呢?
 厨房に行って料理長に直談判するべきか。
是直接去厨房找料理长谈判呢?
 それとも館の外へ出て、食材探しをするべきか。
还是去馆外寻找食材呢?
この手の大きな建物の場合、厨房って普通はどの辺りにあるんだろう。
 まったく見当がつかない。
 広い館の中で、厨房を見つけ出すのはかなり難しそうだ。
在这种大的建筑物中,厨房一般在哪里呢?完全无法估计。这么宽广的宅邸,要找到厨房实在是有些困难。
 うろうろしていたら、誰かと鉢合わせするリスクもぐんと高くなる。
在我闲逛的时候,会和谁撞到的风险也很大。
 外へ出る扉が一階にあることは、棺桶で運び込まれた時に確認済みだ。
但是被用棺材送过来的时候我已经确认了外出的门在一楼。
 運よく厨房を見つけ出せても、例の料理長を説得できるかどうかは怪しい
即使运气好找到厨房也不能保证可以说服料理长。
 厨房を借りて、温かいご飯を作れたら最高だけれど、ここは欲張らず食材探しに向かうとしよう。
要是能借到厨房,做出热乎乎的饭自然是最好。这里还是收敛些去外边找食材吧。
 そう決断した私は、慎重に廊下を進んでいった。
这么决定的我,慎重的走向走廊深处。
 床に敷かれている絨毯はふわふわしていて、私の足音を飲み込んでくれる。
用床上的绒毯抱住双足,可以减弱自己走路的声音。
 その時、不意に廊下の先から人の話し声が聞こえてきた。
就在这时,突然从走廊前方传来了众人说话的声音。
 この声は、侍女さんたちだ。
果然,是侍女们。
 やばいやばい。
不妙啊!不妙啊!
 大慌てで隠れる場所を探す。
我慌慌张张的寻找藏身的场所。
 ちょうど廊下に飾られている立派な鎧の影が死角になっていたので、その裏側にしゃがみ込み、なんとかやり過ごした。
正好走廊里的装饰盔甲有个阴影,我赶紧钻进盔甲后面,总算躲了过去。
 掃除用具を抱えている彼女たちが通り過ぎると、また廊下はしーんと静まり返った。
待她们抱着扫除用具通过后,我又悄悄的回到走廊上。
 もしかして使用人の数がかなり少ないのでは?
难不成这个宅邸里住的人很少吗?
 そういえば、食事のときに現れる

这么说来,用餐时间出现的侍女也一直是同一批人。
 こんな大きな館なのになー。
明明是这么大的宅邸的说。
 離宮って言ってたから、少人数でも管理できるものなのかな。
说到离宫,会是这么点人就能管理过来的吗?
 なんにしろ、おかげで今の私は助かっているわけだけど。
不管怎样,拜其所赐我现在才能如此方便。
 そんなことを考えながら廊下の角を曲がった私は、ついに目的のものを見つけ出した。
我这样想着的同时转了个弯,终于发现了目的地。
 大階段だ。
这是一个巨大的楼梯。
 間違いない、棺桶で運ばれてきたときに見たものだ。
没错!这就是运来的时候看到的那个!
 この階段は確か、建物のメインエントランスへ通じている。
这个楼梯确实是通往建筑的入口的。
 見つからず階段を下っていければ、外に出られるはずだ。
要是能平安下到下边还没被人发现,应该就能到外边去了。
 ゴールが見えてきたことで、気持ちが急いてくる。
感到目标近在眼前后,我变得捉急起来。
 でも、ここで見つかったら元も子もない。
但是,在这里被发现的话,就一切都完了。
 慎重に辺りを見回しながら、できるだけ急いで階段を下りていく。
我边警戒着四周,边以尽可能快的速度往楼下移动。
 下った先には、予想したとおり見覚えのある大理石のエントランスがあった。
楼梯下边和我预想的一样,是记忆中的大理石大门。
 身を潜めるものがないので、ここはいっきに駆け抜ける。
因为没有遮挡物,这里就让我一口气冲过去吧。
 最後に両開きの扉をグッと押して開けると――。
最后在把两扇门推开。。。
 外だー!
到外面啦!
 思わず心の中で叫んでしまった。
我的内心雀跃起来。
 ついに館を抜け出すことができた。
终于能从馆里跑出来了。
 もっと早く試せばよかったと思いながら、辺りに人がいないかを再確認する。
要是能在早些实行就好了。想着,我再次确认周围的情况。
 うん、問題ない。
嗯,没有问题。
 噴水のある前庭と、青い空を目にした私は、小躍りしたいような気持になった。
设置着喷泉的前庭和青色的天空映入眼帘,我的心情也无比畅快,畅快到要跳起来的地步!
 十日間も閉じこもっていたから、解放感がすごい。
十日里一直被关在屋子里,现在有种别样的解放感。
 まるで二徹開けのあと、会社を出た瞬間みたいに気分がいい。
简直就像是辛苦工作以后,从公司出来时的感觉。
久しぶりの外は、実に気持ちのいい快晴だった。
久违的外界,真是令人舒畅的晴天!
 雲一つない空の下、ひだまりはポカポカと暖かく、体感としては初夏くらいの気候に感じられた。
站在万里无云的晴空下,我的身体暖洋洋的。从感觉上判断,大概是刚进入夏天的气候。
 深呼吸をすると、胸いっぱいに清らかな空気が吸い込まれるのを感じられた。
我做了个深呼吸,吸进大把大把的清新空气。
 棺桶で運ばれている時には気づかなかったけど、空気がめちゃくちゃおいしい。
被运过来的时候虽然没注意到,这里的空气可是出奇的好。
 遠い日に行った遠足を思い出して自然と頬がゆるんだ。
想起早些时候的远足,我的脸颊不禁松弛起来。
 館を見上げると、広大な植林を背負うようにして立っているのがわかった。
抬头仰望宅邸,仿佛背着巨大森林一般耸立着。
 ここ、王宮内なんだよね?
这里,是王宫吧。
 敷地に林まで持ってるのか。
城内居然连树林都有。
 さすが王族、規模が違う。
真不愧是王族,和小市民的规模完全不一样。
 林でなら、食べられる木の実や、野イチゴを発見できるかもしれない。
既然有树林,或许可以发现能吃的树果和也野草莓。
 期待に胸を膨らませながら、そちらの方に進んでいった。
我满怀期待的往树林的方向跑去。
 建物が大きいから、館の裏に行くだけでも結構な距離がある。
因为是相当大的建筑物,即使只是去到宅邸的后面也会有相当的距离。
 十日もまともに食べていないせいか、息が切れてきた。
再加上十日里都没怎么吃饭,我已经喘不过气了。
 やっぱり当面の目標は、栄養をちゃんと取って、体を丈夫にすることだな。
果然现在的目标是摄入营养,让身体恢复如初才是。
 浅い呼吸のせいでふうふうなりながら、林の中に入っていく。
我气喘吁吁的走进树林。
 木々は鬱蒼と生い茂り、緑や土の濃厚な香りがする。
只见,树木郁郁葱葱,能感受到绿色和土地的浓厚香味。
 この林にいる限り、ちょっとやそっとのことじゃ見つからないだろう。
只要在这个森林里,只要稍微躲一下就不会被发现了吧。
 やっと警戒心を解くことができた。
我终于可以接触警戒心了。
 時々立ち止まって、呼吸を整えつつ、休み休み進んでいく。
我时不时的停下来整顿呼吸,就这样慢吞吞的前进。
 柔らかな風が吹くたび、木々が軽く揺れ、明るい木漏れ日が躍った。
微风吹拂着,树木轻轻的摇摆,日光则从间隙里洒落。
 小さな小鳥の鳴き声が、近い場所や遠くのほうから聞こえてくる。
稚鸟的鸣叫声忽远忽近的传来。
 視線を動かして声の主を探してみれば、枝の上を走っていくリスの姿が目撃できた。
转动视线去找它们的话,就能在树枝上发现松鼠跳来跳去的身影。
 野生のリスを見たのなんて、生まれて初めてだ。
活了这么大岁数,我还是第一次见到野生的松鼠。
 やっぱり外に出てよかったと、また思った。
来到外面真的太好了,我不禁再次想到。
 今日のお天気もあいまって、とっても清々しい気持ちだ。
再加上今天也无比清爽,令人惬意。
 マイナスイオンを感じるし、この体にもよさそうだ。
我感受着日光浴,身体畅快。
 もうちょっと元気になったら、ゆっくり散策したいな。
等身体更好些的时候,真希望好好来散个步
 乾いた落ち葉を踏みしめながら、そんなことを考えていると、突然開けた場所に出た。
我踩在枯叶上不断行走着,在思考着这样有的没得的同时突然出现了一个宽阔的场景。
「えっ。なにこれ!?」
”哎?这里是什么地方?
 林の中にぽっかり現れたエアーポケット。
于森林之中突然出现的一片空地。
 そこには小さな畑が広がっていたのだ。
在那里着有一片小小的田地。
 手前側左手には、手ごろな大きさのきゅうりがなっている。
前方右手边那块已经结成了手掌大小的黄瓜。
 まさに今が収穫時という感じの瑞々しさだ。
给人现在正是收获时节的祥瑞之意。
 お、おいしそう……。
干,干脆。。。
 無意識にごくりと喉を鳴らしてしまった。
我喉结不禁活动了一下。
 でも、まさか管理された畑から野菜を盗むわけにはいかない。
但是,果然不能沦落到需要从别人家的菜田偷菜的地步。
 この畑を管理しているのは誰なのだろう。
这个菜田是谁在管理着呢?
 多分、これって厨房で使う野菜だよね?
没猜错应该是厨房的人种的吧。
 分けて欲しいと言っても、前回の時のように断られてしまうだろうか。
要是我直接要会像上次那样被一口回绝的。
 こんなおいしそうな野菜が目の前にあるのに……。
明明这么美味的野菜就在眼前。。
 そんなことを考えながら、畑の周りを回ってみると、立て看板がかけられているのに気づいた。
我边想边往四周看了看,发现了一个看板。
 そこに書かれていた文字は――。
那里写着:
『ご自由にお食べください』
”请自由食用”
 ……え!?
哎?
 まるで有名な児童書に出てくるような文言を前に、眉根を寄。
看着如同有名的小孩书里写的烂字,我皱起了眉头。
 この立て看板、鵜呑みにするのはさすがにやばいのでは……。
盲目相信这个看板,实在是不太妙啊。。。
 食べ物を探して外に出たら、旬の野菜がなっている畑を見つけたうえ、自由に食べていいなんて。
在外出探寻食物的过程中,发现一块种着应时野菜的菜田,这可不能随便吃啊。
「うーん。これはいくらなんでも、ご都合主義な展開すぎるでしょ……」
”嗯,不管怎么说,这都太过于机会主义了。
 警戒心を抱いた私は、浮かれていた気持ちを抑えながら周囲を見回してみた。
我保持着警戒心,压制着想要吃的心情观察四周。
 相変わらず鳥や動物たちの気配しかしない
一如既往还是只有鸟和动物们的气息










08 獲れたてキュウリと謎のおじいさん
 林の中に突然現れた小さな畑ってだけでも奇怪なのに、『ご自由にお食べください』の立て看板まで立てかけられているとは。
 私のために用意された状況みたいで、ますます不信感が募る。
突然出现在树林里的小菜田已经够奇怪了,居然还立了个“请自由食用”的看板。我越来越疑惑,这简直就像是专门为我准备的状况。
 異世界転生した場合、自分に都合のいいことが起こりやすくなったりするのだろうか。
还是说异世界转生之后,那些便于自己的事件会比较容易触发吗?
 さて、どうしよう。
 新鮮な野菜を食べてみたいという気持ちと、警戒心がせめぎ合う。
 迷いながら、とりあえず畑の前にしゃがみ込んでみた。
 キュウリもトマトも本当においしそうだ。
 太陽の光を受けて、つやつや輝いている。
 自然と頭の中に味が思い浮かんできて、食べてみたいという衝動が強くなった。
接下来该怎么办好呢?我内心混杂着想要吃新鲜蔬菜和警戒的两种心情。困扰的同时,我决定先蹲在菜田的前面。黄瓜和西红柿看起来都很好吃。在太阳的照耀下,希拉西拉的闪着光辉。我脑中不禁浮现出蔬菜的味道,越来越想吃的冲动涌了出来。
 どう考えても怪しいのに、さっきからおなかはぐーぐー鳴りっぱなしだ。
 こんなに色の濃くて立派な野菜、スーパーではそうそうお目にかかれない
 自分がどんどん誘惑に屈していくのがわかる。
明明是不管怎么想都是奇怪的现象,肚子却不争气的叫了起来。这么出色的野菜,在超市里不能买到。我理解到自己正渐渐屈服给诱惑。
「すみません、ちょっとだけ……!」
抱歉,我只拿一点。
 手を伸ばして気づいた。
 新鮮なキュウリって、本当にトゲがあるんだ。
 手を傷つけないよう気をつけながら、一本もらう。
 茎がしっかりしていて、なかなかもぐのが大変だ。
刚伸出手去,我注意到了。新鲜的黄瓜,真的有刺。我小心着别弄伤了手,摘走了一根。
 ドレスの端っこで、キュウリのトゲを折りがてら、土を落として表面を磨いた。
 色つやがいいだけじゃなく、端から端までの太さが均一だ
我用礼服摩擦着黄瓜,把它的刺和土都给打磨下去。这黄瓜不仅色泽鲜艳,粗细居然还保持一致。
 お尻側が膨らんでいると、水分が下にたまってしまうため、実に空洞ができやすくなる。
 そういうキュウリはスカスカしていて、歯ごたえが悪い。
 味も薄らぼんやりしてしまう。
要是它的屁股太大的话,为了将水分往下送,就容易产生空洞。那种黄瓜干巴巴的,咬起来很难受,味道也很难吃。
 でもこれは絶対においしいキュウリだ。
但是这绝对是好吃的黄瓜!
「いただきます!」
我要开动喽!
 かぶりつき歯を立てると、ポリッという軽快な音が響いた。
 口の中に、瑞々しいキュウリの味が広がっていく。
我用牙齿咬了下去,黄瓜发出一声的轻快的声音。它的味道也慢慢在嘴中蔓延开来。
……っ! んーっ……おいしい!」
“!!!~ 。。。。好吃!”
 カリカリポリポリと音を立てながら、二口、三口、と続ける。
 歯ごたえがいいし、味も濃厚だ。
 も何もつけていないキュウリだから、もしかしたら物足りないかもって思ったけれど、このキュウリは甘みが強くて味がしっかりしている。
 種すら大きくて、ぷりぷりと柔らかい。私は夢中で口に運んだ。
伴随着嘎吱嘎吱的声音,我二口三口不断的咬了起来。这黄瓜不仅口感好,味道也无比浓厚。因为是没有经过任何处理的黄瓜,本来我还担心会不会有什么不足的地方,却没想到味道是无比的甘甜。黄瓜种子都很大,也无比柔软,我不断的嚼啊嚼,仿似作着美梦一般。
「はぁっ、こんなにおいしいキュウリ初めて! 本当に最高だよー!」
「ほっほ。お気に召したなら何よりじゃ」
哈,我还是第一次吃到这么美味的黄瓜。真是赛高!。
“哈哈。能得您的喜欢比什么都好。”
 不意打ちで話しかけられ、ビクッと肩が揺れる。
意想不到的搭话向我传来,我不禁肩膀一震。
 慌てて振り返ると、白髪のおじいさんが立っていた。
 顔中をしわしわにして優しい笑顔を浮かべたおじいさんは、うれしそうに歩み寄ってきた。
 鼻の下の白いひげが印象的な、好々爺というかんじのおじいさんだ。
慌乱的把头扭过去后,那里正站着一位白发翁。长满皱纹的脸上挂着温柔笑容的老翁,一副十分愉悦的样子向我走来。他留着白色的胡须,给人以慈祥的老人印象。
 手には鍬、背中に籠を背負っているのに、動きはかくしゃくとしている
 まさか、この人が畑の主だろうか。
手中握着铁锹,肩上背着框的他,动起来略有僵硬感 。该不会这个人就是菜田的主人吧?
「こんにちは。妃殿下。お初にお目にかかります
初次见面,您好,王妃殿下。
 ニコニコしながら隣に立つと、おじいさんは私の手元を見て、ほほっと笑った。
他站在我一旁,看着我手里的半根黄瓜,开心的笑了。
「これは珍しい。まさか野菜を生で食べてくれる人間が儂以外におるとは……。料理に使われる場合は、なんでもかんでも濃い味付けにされてしまうからのう」
这真是太稀奇了。没想到除了老朽以为还有别人会生吃蔬菜。。。要是不进行料理,不管怎样都会带着浓厚的味道呢。
 私は慌てて立ち上がると、勝手にキュウリを食べてしまったことを大急ぎで謝った。
我慌慌张张的立正,赶忙为自己随便的吃了黄瓜的事道歉。
「ご、ごめんなさい! ここおじいさんの畑ですか? 私、勝手に食べてしまって……!」
「ふふふっ。気にしないでくだされ。そのために立札を出しておいたのですから。それより率直な感想を聞かせてくれませんかのう。儂の野菜たちはどうでしたか?」
「本当においしかったです! 瑞々しいし、甘いし。感動して、体が生き返った気がしました」
对不起!这里是老爷子的菜田吗?我自作主张吃掉了。。。
”呼呼呼。。。不必在意。正是为了让人吃才立那种牌子的。比起那种事能告诉我真正的感想吗?老朽的野菜到底如何?“
”真的是非常好吃!又嫩又甜。我十分感动,整个人都活了过来。“
 そういうと、おじいさんは心底嬉しそうな顔で頷いた。
听完之后,老爷子露出了打心眼里开心的表情点了点头。
「丹精を込めて作ったから、そう言ってもらえるとうれしいですのう」
「野菜からも、とても愛情をかけて育てたことが伝わってきました」
「キュウリはこう見えて、わがままな野菜でしてな。肥料が多すぎても具合が悪い。毎日野菜たちの機嫌を見ながら世話をしております
「なるほど。だからこんなに立派な葉っぱが育ったんですね。瑞々しいキュウリを育てるには、欠かせない条件ですもんね」
「おっ。妃殿下はわかっておられますなあ。それにしても、よく生で食べなすった。しかもソースすらかけずに」
「新鮮なキュウリやトマトは、生で食べるのが一番じゃないですか」
「そうなのですよ! 儂は何度もそう言っておるのに、他の人間は誰も認めてくれんのです。それどころか試してみようとすらしない」
毕竟是精心种植的蔬菜您能这么说真是让人高兴。
“从野菜那边也传出了种菜人给予的爱意。”
“别看他是黄瓜,却是一种无比任性的蔬菜。要是撒肥料多了状况就会变遭。我每天看着蔬菜的心情来照顾它们”
“原来如此。所以才能长出这么出色的叶子啊!对于培养出的嫩黄瓜,叶子是必要的条件。”
“哦(o)?王妃殿下居然会懂得这些。话说回来,真亏您可以生吃黄瓜,还是不加任何调味汁的状态”
“新鲜的黄瓜要生吃才好不是吗?”
“正,正是如此!!!我虽然不断的强调这一点,其他人却怎么也不认同。不仅如此,连尝试的人也没有。”
 おじいさんはしょんぼりと肩を落とした。
老爷子刷的垂下了肩膀。
 おじいさんによると、ここは、野菜本来が持つ味の良さを普及したくて作った畑なのだという。
 ところが自由に食べてくれと書いてあるのに、誰も手を伸ばしてはくれないのだそうだ。
 だからさっき私が野菜を食べてるところを見つけて、驚きもしたし、それ以上にとてもうれしかったと言われた。
听老爷子说,这里是想要普及蔬菜本来的味道才设计的菜田。可即使写了可以自由食用却没有任何一个人来尝试。所以刚才看到我吃生黄瓜的场景,他吓了一跳,但是在这以上更多的是开心。
「私も、おじいさんみたいな人に会えるなんてびっくりしました。生野菜の価値をわかってる人がこの王宮にいるなんて」
我见到老爷子这样的人也是无比惊讶。没想到王宫里有理解生蔬菜的价值的人存在。
 そう言ったあとで、しまったと焦った。
刚说完我就意识到大事不妙。
「ごめんなさい、別に王宮の人たちを馬鹿にしてるわけじゃないんです。ただ、感覚が違うんだなって思って。この世界の人は、こってりした濃い味付けのものを好まれるようなので……」
「む? この世界の人?」
对不起。我没有要把皇宫的其他人当成笨蛋的意思。只是,我们之间的感觉很不一样。这个世界的人们,特别喜欢浓厚味道的料理啊。
”恩?这个世界的人们。“
 ああ、もう。私の馬鹿。
 また余計なことを言ってしまった。
 どう誤魔化そうか迷っていると、おじいさんは興味深そうに目を細めた。
w(゚Д゚)w。我这个笨蛋。又说了多余的话。我犹豫着如何蒙混过去的同时,老爷子颇有兴趣的眯起了眼睛。
「なるほど。妃殿下の国では、濃い味付けよりも薄味のほうが好まれていたのですな?」
原来如此。王妃殿下的国家那边,比起浓厚味道的料理更喜欢清淡味的吗?
 出身国とこの国の文化を比較したのだと、勘違いしてくれたようだ。
 都合がいいので、そのまま話を合わせる。
他貌似误会成我的出生国家和这个国家的文化不同了。这样正好,就让我这么编下去把。
「そうなんです。うちの国は、素材の味を活かすための料理が多かったんです」
正是如此啊。我的国家那边讲究素材灵活运用的料理更多一些。
 エミリアちゃんの故郷のことはわからないので、日本の食文化について話した。
因为不知道艾米利亚的故乡到底是怎么个情况,这里就让我用日本的饮食文化说明吧。
「健康のため、濃い味付けのものは控えるように言われていたり。とくに生野菜は、体のためにも欠かさず摂取するように言われてました」
「ほほう。それは面白い。この国とはまるで真逆ですな」
为了健康,有人提出要控制饭菜的浓厚程度。特别是生蔬菜,为了身体也应该毫无偏见的去吃掉。
“吼吼,这还真是有趣。跟这个国家简直是反过来的。”
 おじいさんはかなり興味を持ったようで、真剣な顔で色々質問されてしまった。
 そんなやり取りの中で、ふと疑問を抱いた。
老爷子好像真的十分感兴趣的样子,以一副认真的表情问了我许久。这么你一句我一句的过程中,我突然有了个疑惑。
 この人一体誰なんだろう。
 最初に会ったとき、「初めまして」って言われたから、エミリアちゃんと顔見知りなわけじゃないんだよね。
 だったらストレートに聞いちゃって大丈夫だな。
这个人到底是谁啊?最初见到的时候他说了“初次见面”,应该不是艾米莉亚熟识的人吧。
这样的话,直接问问没关系吧。
……ところで、おじいさんは一体?」
话说回来,老爷子是。。
 畑作りは庭師の仕事じゃなさそうだし。
 かといって使用人が王家の敷地内に畑を作ることなんて許されるのだろうか。
 首を傾げて返事を待っていると、おじいさんは楽しそうに顎をさすった
种植菜园大概不是庭师该做的事吧。虽如此真的有人能拿到在王宫里种菜地的许可吗?我歪着脑袋等候他的回答,老爷子却很高兴似的摸着下巴。
「儂はただの隠居のジジイですじゃ」
老朽只是在这里隐居的一名老头子罢了。
 明らかに怪しい。
 でも、私も人目を盗んで抜け出してきた身の上だから、あんまりしつこく追及はできない。
 多分、おじいさんには何か知られたくない事情があるのだろう。
明显很奇怪。但是我也是从别人眼下偷偷溜走的状态,无法过分追究。大概,老爷子有着不想让我知道的事吧。
「そうじゃ、妃殿下。あなたの国で、この花を見たことはありませんか?」
「花?」
那么,王妃殿下。在您的国家里,有见过这种花吗?
“花?”
 おじいさんが指さした先を目で追うと、奥の畑に咲いている紫色の花に気づいた。
我顺着老爷子的手指看去,在菜田深处看到了盛开的紫色鲜花。
「異国の商人にわけてもらった種の中に、こいつも混ざっておったのですが……。商人が置いて行った育て方の紙が間違っていたのか、花は咲いたもののいつまでも実がならず、気になっていたのですよ」
「これって……」
「実がつくのを待っていたら、そちらの畑では花が枯れてしまいました」
从异国商人那里购来的各种品种里,混杂着这种花。。。也不知是不是商人给的培育方法出了问题,这种花只会开花却结不了果。十分令我在意。
“这是。。。”
“我一直等着它结果,结果那边的菜田里花枯萎了也没有长出来。”
 ん?
 この紫の花って、じゃがいもじゃないかな?
 おじいさんが枯れたと言っている畑を少し調べて、やっぱり、と思う。
 確かにじゃがいもの収穫は、その方法に関して知識がないと、どうしたらいいかわからないかもしれない。
恩?
这种紫色的花,是不是土豆啊?我去老爷子所说的花枯萎了的菜田那边调查了一下,果然啊。要是没有关于收获土豆种子的方法的话,确实会不知所措。
「おじいさん、これじゃがいもですよ。ちょっと掘り起こしてみますね」
老爷子,这是土豆啊。稍微挖出来给你看看。
 私の祖父母は田舎で農家をしていたので、じゃがいもの収穫は何度か手伝ったことがある。
 その時の要領を思い出しつつ、ドレスの袖を軽くまくった。
我祖父母的老家在有着自己土地的农村,的收获已经告诉过我很多次了。我回想着那时的要领,挽起袖子。
 周りの土を丁寧にかきわけてから、えいやっと力を込めて引っこ抜く
 確かな手ごたえと共に、じゃがいもを掘り出せた。
 ごろごろと根っこに丸くついたじゃがいもを見たおじいさんは「じゃがいもはこんなふうになるのか!」と感動しっぱなしだった。
仔细地拨开周围的土后,我开始用力。随着手上的触感的变化,土豆被拔了出来。老爷爷看见了圆滚滚的土豆根,感动的说“土豆居然会变成这样!”
「大きくていいじゃがいもですね!」
「ええ、本当に。妃殿下。もしよければ、おすすめの食べ方を教えていただけませんかのう」
「じゃがいも料理ですか」
真是颗大大的好土豆啊
“恩,的确实。王妃殿下,可以的话,能告诉我进一步土豆的食用方法吗?”
“它的料理方法吗?”
 じゃがいもを使った料理は、おいしいものがいっぱいある。
 私が手を顎に当てて、少し考えてみた。
使用这个的美味料理有着不少。我扶着下颚,稍微想了一会。
 海外の人にも抵抗がない料理がいいだろうから、洋食から探したほうがよさそうだ。
 さっき素材の味を活かした料理の話をしているし、シンプルかつ体にいいメニューを教えてあげたい。
 でも、いきなりものすごくさっぱりしたものだと、味気なく感じるかも?
 となると、素材の味を活かせるようにじゃがいもが主役で、体によくて、さっぱりしすぎていないメニューだ。
 それなら、もうこれ一択。
做成洋人也能自然的吃的料理就好的话,从外国餐点考虑比较好吧。刚才也说了活用素材的料理之类的话,我想说一些简单且对身体好的菜单。 但是,要是直接说出无比清淡的菜单,他可能会觉得乏味。这样一来,能活用素材的土豆料理,而且对身体好,又不是特别淡的菜单。。。。。还有这样一个选择。
 私は自分も大好きな料理『じゃがいもの冷製スープ』の作り方を説明した。
我开始说明我个人也很喜欢的料理“冷制土豆汤”的制作方法。
「色々調理方法はあるけど、この季節なら冷製スープにするのもいいですね。たまねぎと一緒に煮込むんです。もしあれば、牛乳で薄く延ばすと、ポテポテしすぎないで、飲みやすくなります。さらっとした癖の少ないスープになるので、夏の暑さでくたびれた日や、病明けで食が進まない時にでも、飲みやすいんです」
虽说有多种多样的料理方法。这个季节做成冷制土豆汤也不坏吧。把它和洋葱一起煮了 。如果可能的话,用牛奶涂薄薄的一层,注意不要放太多土豆,要制成容易喝的状态这样就做成了不太清淡的汤,在因夏季炎热而疲惫的日子、病后无法进食的时候,十分容易饮用。
 新じゃがも新たまねぎも味がしっかりしているから、ブイヨンを入れず、塩コショウだけでも十分おいしいスープになる。
新土豆和新洋葱的味道很浓,所以不放青素,只放点盐胡椒就足够美味了。
「ほおお、冷製スープとな?」
吼哦哦?冷制汤吗?
 おじいさんは好奇心に目をきらきらさせて、前のめりになった。
老爷子带着好奇心的目光往前迈了一步。
それはうまそうだ。どんな味か知りたいですのう」
「厨房が借りられれば、作れるんですが」
「なに、本当ですか!? じゃあこのじゃがいもを収穫して、このまま厨房にいきましょう。玉ねぎもほれ、そちらの畑になっております」
「え!? 料理をさせてもらえるのはうれしいんですが、厨房を使うには国王陛下の許可がいるって言われたんです。それに料理長にも悪いですし……」
看起来很好吃的样子。真想知道会是什么味道。
“要是能借给我厨房就能做出来的说。”
“纳尼!真的吗?!那赶紧采摘蔬菜。直接去厨房吧。 洋葱也在那边的菜田里种着。”
“哎?能做菜我是很高兴了,但是要用厨房得得到国王陛下的许可。而且对料理长也很不好意思。”
 薄味の料理を注文して、すでに彼の機嫌を損ねてしまったふしがある。
 私が戸惑ったまま、もごもごしていると、柔和な笑みを浮かべていたおじいさんの目に不敵な光が宿った。
我解释说因为这是道清淡的菜。好像扫了他的性来着(这里好像是对难以用厨房而感到扫兴)。我困惑不已的同时,脸上浮现出柔和笑容的老爷爷的眼睛中却闪烁着无敌的光芒
「なあに、安心してください、妃殿下。問題はありません。儂がなんとかいたしましょう」
放心吧王妃殿下。根本不会有问题,就让老朽做些什么吧。





09厨房の使用権(仮)を手に入れました
 離宮に戻ってきた私は、冷や冷やしながらおじいさんの後について廊下を進んでいった。
 おじいさんは厨房を借りるつもりでいるらしいけれど、本当に大丈夫なのだろうか。
 心配している間に、一階の奥にある厨房へ辿り着いてしまった。
回到离宫的我,心灰意冷的跟在老爷子的后面。看上去他是打算借用厨房的样子,真的没有问题吗?在我担心的过程中,我们到达了一楼深处的厨房。
「ほほっ。迷わず辿りつけてよかった。さあ、妃殿下」
哈哈!没迷路就到了真是太好啦。来吧,王妃殿下。
 後ろで手を組んだおじいさんが、まるで自分の家にでも入っていくような気やすさで、厨房の仕切りを越えていく。
 ええっ、怒られないのかな!?
 思わず立ち止まった私に向かい、おじいさんは笑顔で手招きをしてきた。問題ないからおいでというように。
 邪気のないほのぼのとした笑みを浮かべているのに、なぜか逆らい難い。
把手背在身后的老爷子,如同迈入自己家门一般,越过厨房的隔板。呃呃,不会被发怒吧?对想也没想就停下来的我,老爷子笑着招招手。没有问题,过来吧,他是想这么说吗?明明是如此天真的微笑 ,不知为何却违抗不了。
 うう……、怒られたらそのときはそのときだ。
 私は観念して、おじいさんのあとを追った。
唔。。被骂的时候再说吧。我转变思路向着老爷子身后追去。
 厨房の中は、かなり広々としていた。
 ここで何人分の料理を作っているのわからないけれど、ちょっとしたレストランの調理場ぐらいはありそうだ。
厨房里面有着相当大的空间。虽然不知道会做多少人份的饭菜,这里看上去有着大型餐厅的调理场大小。
 壁や床、釜はすべて石造りだ。
 火のついた大きな壁炉には、鍋をぶら下げる黒い鉄の棒や、フライパンをのせるであろう台が設置されていた。
墙壁,床,和锅都是石造的。在点着火的大壁炉上,设置了吊着锅的黑色铁棒和放平底锅的台子。
 この時間から料理の仕込みをしているのか、鍋の中で何かを煮込んでいるようだ。
 むわっとした脂の臭いが、鼻の先まで漂ってきた。
 庭に面した窓がせいせいと開け放たれていて、新鮮な空気が出入りしているのが救いだ。
这个时间在做着料理吗?锅里面正煮着什么东西。强烈的油脂的臭味刺激着我的鼻尖。面向庭院的窗户大开特开着,拜其所赐大量新鲜空气涌入真是太好了。
 床には大きなが置かれていて、水がなみなみと注がれている。
 中央の作業台には、籠に入った野菜や果物が山のように盛られていた。
床上放置着一口大缸,水正源源不断的注入其中。中央作业台上装着蔬菜和水果的筐已经堆成了山。
 まさにファンタジー映画の世界だ。
 テーマパークに来ているようで、ちょっと感動してしまった。
正是幻想电影世界里面的写照。我就像是到了主题公园一样,稍微有些感动。
 あの野菜をせめてひとつでも譲ってくれれば……。
 いけないけない、空腹なせいでつい恨みがましくなっている。
要是能把那些蔬菜让给我一筐的话。。。不好不好,因为饿着肚子的原因已经衍生出恨意了。
 厨房の中には料理人が三人いて、下処理を行っていた
 コック帽をかぶった年配の男性が指示を出している。
 彼はかなりでっぷりしていて、白いコック服のボタンは今にもはじけ飛びそうだった。
 場を仕切っている雰囲気から考えて、多分彼が料理長なのだろう。
厨房里有三位料理人,他们正进行着预处理。戴着厨师帽的年长男性正在那里做着指挥。 他的体型也相当丰满,白色厨师服的纽扣眼看就要裂开了。根据现场的气氛来看,那个人大概就是料理长吧。
 私たちの気配に気づいたらしく、全員がハッとした顔で一斉に振り返った。
 中でも料理長は、私と一緒にいるおじいさんを見た途端、目を見開いて固まってしまった。
注意到我们的气息,他们全员刷的一齐把脸甩了过来。其中料理长他,在看到和我在一起的老爷子后,瞪大眼睛凝固了。
……! あなたは……!?」
“。。!您是?!....”
 おじいさんが、しーっ、という仕草を見せる。
老爷子做出“嘘——”的动作。
料理長はハッと息を呑んだあと、言いたい言葉を無理やり飲み込むように、口を引き結んだ。
それから私の方に視線を向けると、さらに表情を険しくさせた。
料理长唔的把话吞了回去,就像是把要说的话囫囵吞掉一般,闭上了嘴巴。然后他把视线转向我,露出了更险恶的表情。
「妃殿下まで……」
连王妃殿下也。。。
 うっ。
 普段食事を残しているのはこいつか! と思われているんじゃないかな。
 気まずくて背筋が丸くなる。
唔。。。。平时一直剩下饭菜的就是她吗?!——他是在这么想吗?我不禁挺直了后背。
 おじいさんはそのまま厨房の奥に入っていくと、料理長に気安い感じで声をかけた。
老爷子就这样走进厨房深处,略带轻松的向料理长说道。
「すまんが厨房を貸してもらえるかな?」
能稍微借厨房一用吗?
 おじいさん、そんな真正面から頼んじゃっていいの!?
 絶対断られるよと思っていたのに、なぜか料理長は、慇懃な態度で頷いてみせた。
老爷子啊,这样直接请求真的好吗?原本以为会被果断拒绝,不知为何却露出殷勤的态度首肯了。
「もちろんでございます。あなた様のご命令であれば、我が城も明け渡しましょう。おいお前たち、そこの道具を今すぐ片付けるんだ」
当然没问题。只要有您一句命令,就算是城池我也会献给您。——你们,把那边的工具收拾一下。“
 ちょっと信じられないくらい、あっさり料理長の許可が出た。
料理长以让人难以置信程度的爽快答应了。
侍女長から聞いていた感じでは、かなり渋っていたはずなのに、どういうことだろう?
 でもなんとなくだけど、侍女長は生真面目だし、嘘を吐くタイプではない気がする。
 となると、このおじいさんが、かなり特別な存在なのでは……?
 隣に立ったおじいさんを見ると、相変わらずニコニコした笑顔が返ってきた。
从侍女长的话来判断,料理长应该是个相当顽固的人才对,到底怎么回事?总觉得,侍女长一直摆出一副认真的表情,应该不少会说谎的类型才对。这样的话,这个老爷子,是相当特别的存在吗?我看了一眼一旁的老者,她还是一如既往呵呵的笑着。
「さ、妃殿下。どうぞ厨房をお使いください。なにかいるものがあれば、料理長にお聞きくだされ」
「で、でも……」
来,王妃殿下。请使用厨房吧。有什么需要的东西直接对料理长说就好。
“可,可是。。”
 本当にいいのかな。
 視線で窺うと、料理長はただ静かに、何でも聞いてくださいと言ってきた。
这样真的好吗?我偷偷看了一眼料理长,请随意吩咐,他静静的说道。
「必要でしたら、私どもの料理はすべてどかしますので
「とんでもないです! すみっこをお借りできれば十分なので!」
「では、どうぞ」
如果有必要,我们的料理可以全部放到别处
“完全没有这种事。借给我一个小角落就够了。”
“好的,请!”
 き、気まずい……。
 料理長は職人肌というか、ちょっと威圧的な雰囲気を醸し出している。
 王妃を前にしても、決して媚びたりしない。
 ただ、おじいさんに対しては、心から敬意を表している感じがした。
真难受。。。料理长的手艺人气质还是啥的,稍微营造出压迫的气氛。 即使是在王妃面前也绝不献媚。但是面对老爷子时就会摆出一副毕恭毕敬的姿态,。
 私一人だったら絶対にこうはいかなかっただろうな。
 エミリアちゃん、妃殿下ってポジションのわりに、なぜか結構ないがしろにされているからなあ。
 それにしても、おじいさん、あなたはいったいどういう存在なんですか……?
要是只有我一个人绝对不会这么发展的吧。艾米利亚酱,王殿下虽然身处职位,但不知为什么却被当成无关紧要的人呢。 话说回来,老爷子啊,你到底是什么人啊?
「妃殿下。必要であればご命令を。あるいはお邪魔なようであれば、廊下で待機しておりますが」
「え!? そんなに気を使わないでください
王妃殿下,请尽管吩咐。或者我们碍事的话,请容许我们去走廊待机。
“哎?!请不要那么在意。”
 厨房を貸してもらえるのはとてもありがたいけれど、仕込みの邪魔はしたくない。
 出来る限り邪魔にならないよう、気をつけよう。
虽然借出了厨房,但是不想打扰他们工作啊。尽可能的不惹麻烦的情况下干活吧,注意点啊,我。
「じゃあ、お借りします……!」
那么,我就暂用。
 袖をまくり、手をしっかり洗ったら、料理開始だ。
我挽起袖子,洗吧手,开始了料理。





11 厨房の使用権(本)を手に入れました
「ああ、本当に美しいスープですねえ」
“啊,真是美味的汤啊”
 おじいさんは独り言のように呟くと、大切なものに触れるときの慎重さで、そっとスープを掬い上げた。
 ドキドキしながら、おじいさんの動作を見守る。
老爷子自言自语着说道,如同要触碰什么珍贵事物一般,舀起了一勺汤。我激动不已,在一边守望着老爷子的动作。
 わ、おじいさん、食べ方すごくきれい……。
老爷子他,吃饭的方式很漂亮。。。
 おじいさんの食事をする姿は、とても洗練されていて、ひとつひとつの仕草がとても上品だということに気づいた。
老爷子用餐时的姿势,真的是无比洗练,每一个动作都很文雅。
 やっぱり、このおじいさんかなり身分が高い人なんじゃ……。
 そんな人に、プロでもない私が料理を作ったりして大丈夫なんだろうか。
 やんごとなき御仁だったら、普通は必ず毒見をされるものなんじゃないの?
 今さら、不安になってきた。
 でも止めに入るか迷っている間に、おじいさんはスープを口に運んでしまった。
 ああっ。
 一瞬で、心拍数が早くなる。
 毒なんて入れてないけどね!?
果然,这个老爷子是个身份高贵的人物。连专业人士都不算的我为这样的人做饭真的没问题吗?やんごとなき御仁だったら、普通は必ず毒見をされるものなんじゃないの?事到如今,我开始感到不安了。但是在我犹豫要不要制止他的过程中,老爷子已经将汤送入了嘴中。一时间,我的心跳巨快。虽说我根本没有加过毒-.-
 おじいさんはゆっくりと味わうように瞳を伏せた。
 その直後――。
老爷子闭上眼睛细细体味着汤的味道。那之后。。
……んんっ!?」
“嗯!?”
 カッと目が見開かれ、くぐもった声を上げた。
他趴的睁开双眼,发出了浑浊的声音
「これは……っ」
“这是!。。”
 えっ!?
 毒がどうのと考えていたせいで、本気で焦った私のことを、おじいさんがガバッと振り返った。
哎?正当我为毒的事慌乱不已时,老爷子刷的将头转向我。
「とてもおいしい……! 感動しましたぞ!」
「ほ、本当ですか……」
「さらさらとした口当たり、口内に広がる優しい甘み……。シンプルながら、素材の持ち味を活かした最高のスープです!」
“真是美味!我无比感动。”
“真,真的吗?”
“清爽的口感,在嘴里蔓延的温柔的甜味……。虽然很简单,但利用了材料特有的味道,是最棒的汤! ”
 熱意のこもった優しい目が、決してお世辞ではないよと訴えかけてくる。
 変に謙遜するのは失礼だと思い、私ははにかみ笑いを返した。
 お口に合ったようで、よかった。
 おじいさんに喜んでもらいたい一心で作ったスープだったから、すごくうれしい。
他那充满热意的温柔视线,诉说着这绝不是客套话的事实。要是我回以奇怪的谦词会很失礼,所以这里我也对他施以腼腆的笑容。能和您的口味真是太好了。因为原本就是为了能让老爷子开心的收下而一心做的料理,所以我也很高兴。
「このひんやりしたところがまた新鮮でいいですな。初めての味と出会うことが、こんなにうれしい驚きに満ちているとは……。妃殿下、ありがとうございます。あなたはこの年寄りに、新しい喜びを教えて下さった」
这份清爽感又让人感觉无比新鲜真是太好了。没想到和陌生味道的料理相遇是这样让人惊奇又高兴的一件事。。。。王妃殿下,十分感谢。在往后这些年月里,还请您给予我更多的快乐。
 褒められすぎなのが恥ずかしくて、頬が熱くなる。
不知是不是老爷子夸奖过度,我感到有些羞耻,脸颊烫烫的。
 おじいさんは噛み締めるように、スープをもう一口二口と口に運んだ。
他如同要咬紧它一般,一口又一口不断的喝着。
「このなめらかな舌触り。芋の味をちゃんと感じられる。儂の育てた野菜が、こんなにおいしいスープに変化するとは……」
“ 这种滑润的舌感。能清楚的感受到芋头的味道。老朽培育的蔬菜竟能做出这么美味的汤。
 感極まったような言葉を繰り返しながら、あっという間にスープを完食してしまった。
 求められたお代わりをよそったあとは、私も隣の席でいただくことにした。
在老爷子说着这些感动话语的过程中,汤很快就被喝完了。他为了寻求替代品开始享用起我邻座的食品来。
 スプーンで掬って試しに一口。
 すぐに優しい味が口内にふわっと広がった。
 そう、これこれ。
 母から習ったスープの味だ。
 ほどよくとろりとしているけれど、決してしつこくはない。
 おじいさんが褒めてくれたとおり、新鮮な野菜だからこそ出せる深みのある甘い味がした。
 飢えていた胃袋が、喜んでいるのを感じる。
 ああ、久しぶりに体が求めている料理を食べられた。
我用勺子舀了一口试试看。很快,一股温柔的味道就在口中蔓延开来。没错,就是这个!这就是我从母亲那里学来的汤的味道。 如同老爷子夸奖的那样,正因为是新鲜的蔬菜所以才能散发如此深邃的甜味。我能感受到饥饿胃袋的喜悦感。啊!久违的能吃到这个身体渴求的料理啦。
 おじいさんはお代わりの分のスープも、完食してくれた。
 私もせっせとスプーンを口に運ぶ。
不觉间,老爷子已经吃完备用的汤了。我也不间断的一口又一口不断的吃着。
「ふー、心が満たされた……」
“呼。心被添满了”
 グーグー鳴っていたおなかが、なんとか落ち着いてくれた。
 ただ、スープでおなか一杯になってしまうのは問題だ。
 ほとんど絶食状態だったから、胃が小さくなっているのだとしても……。
 エミリアちゃん、もともと食が細かったのかな。
 これから少しずつ食べられる量を増やしていかなくちゃね。
之前一直咕咕叫的肚子,现在也终于安分了下来。但是吃一肚子汤吃撑了也不太好。因为我一直处于绝食状态,胃变小了。。艾米莉亚酱,要不要把食物弄得再细一些呢。 这之后不慢慢增加饭量可不行啊。
 最後の一滴まで飲み終わって、スプーンを置いたとき、斜め上の辺りから強い視線を感じた。
 ん?
 首を傾げつつ、顔を上げると、こちらを凝視している料理長とばっちり目が合った。
 料理長は慌ててあらぬ方を見た。でも、すぐまた視線が戻される。
 もしかして私のスープに興味を持ってくれてるのか?
 勘違いだったら恥ずかしいけど、知らんぷりもしていられないので、確認を取ってみる。
我喝完最后一滴汤,把勺子放在一边时,这时从斜上方感受到了强烈的视线。嗯?我歪着头向上看,正好和看着这边的料理长对上眼。他慌张的别开嘛脑袋,很快又把眼睛转了回来。难不成是对我的汤感兴趣吗?要是弄错了会很羞耻没错,但是不能装作不知道还是确认一下吧。
「あの、よければ料理長もどうぞ」
……! い、いえ。どうぞお気遣いなく……」
“那个,料理长要不要也来些?”
“。。。!啊,不了。请不要在意”
 料理長はまだスープの入っている鍋を凝視しながらも、ぐっと口元を引き結んで断ってきた。
料理长又看了一眼盛着汤的锅,一口回绝了
「ほっほっ。料理長、せっかく新しい味にであえる機会を不意にしてしまうのですか?」
「そ、それは……」
「本当は妃殿下のスープが気になってしょうがないのでは?」
“吼吼。料理长。难得有与新味道相遇的机会难道想就这么错过吗?”
“那,那是”
“你难道不是相当在意王妃的汤吗?”
 料理長はぐむっと唸って、スープと私を交互に見やった。
 むっつりした顔のままなのに、彼が何を考えているのか手に取るように伝わってくる。
 ものすごーく葛藤しているようだ。
 さすがにその態度で確信を持つ。
 やっぱり料理長、興味を持ってくれているんだ。
 でも職人としての意地が邪魔して、素直になれないのだろう。
 ちょっと頑固者だけど、このおじさん、嫌いじゃないかも。
 私は苦笑して、勝手にスープを一人前分よそってしまった。
料理长不禁“咕”了一声,来回看着我和土豆汤。明明是沉默的面孔,却能清楚的感觉到他在想什么。好像非常的纠葛。我确认了他的态度,果然料理长十分感兴趣。但是作业职业人士的固执阻碍着他,让他没办法直率的表达出来。虽然有些顽固,或许我并不讨厌这个老爷子。我苦笑一声,擅自给他盛了一人份的土豆汤。
 料理長は濃い味つけが好きな人だ。
 そういう料理を毎日作っている。
 私のスープが彼の口に合うことはないだろうけれど、興味を持ってくれているなら試して欲しい。
料理长是个喜欢浓郁系料理的人。他每天都做着那样的料理。可能我的料理会不合他的口味,但是既然他抱有兴趣就该让他试试。
「もしよかったら一口だけでも、味見してみてください」
“容许的话,即使一口也好,请尝一尝。”
 料理長は眉を下げて、私を見つめてきた。
 そういう顔をされると、いよいよ憎めない。
料理长垂下眉毛,看向我。摆出那种表情的话,我更加难以讨厌他了。
……妃殿下と言えど、お世辞で褒めることはいたしませんよ。料理人のプライドがありますので」
「無理して褒めてもらいたいなんて思ってませんって」
“即使是王妃殿下,可能我也没办法吹捧你哦,毕竟还有料理人的自尊
“我没想过要你们无脑吹捧我”
 私が肩をすくめて笑顔を向けると、料理長は目を見開いたまま固まってしまった。
我耸起肩膀微微一笑,厨师长睁着眼睛凝固了
「料理長?」
「あっ、し、失礼しました」
“料理长?”
“啊,失礼了”
 逃げるように俯いた先には、私のスープが。
 彼は一度大きく息を吐き出すと、腹を括るための儀式のようにグッと目を閉じた。
他用逃跑般的速度冲向我的汤。然后深深的吐了一口气,就像是为了捆住腹部的仪式腹を括るための儀式??)一样紧闭双眼。
「では、少しだけ……」
“那么,请让我稍微。。”
 料理長はひと掬いしたスープをじっと見つめたあと、えいっという感じでそれを口に運んだ。
 最初の反応は、やっぱり私が予想したとおりのものだった。
料理长看着勺子里的汤端详了许久,“嗯”的把它送入口中。 。最初的反应果然如我料想的一般。
……味が薄い」
“味道好淡”
 ああ、やっぱり。
 ところが、すぐにつき返されてしまうかと思いきや、料理長は二口、三口とスープを口にし続けた。
啊,果然。但是,我预想他会直接返回来,却没想到料理长开始不断的往嘴里送汤。
……薄いがそれだけではない何かが潜んでいる……気がする」
不只是味道淡薄这么简单,还有什么东西隐藏在里面。。。真在意啊
 完全に独り言になっている。
 私が困惑していると、隣に立つおじいさんが無言のまま目配せしてきた。
 料理長のスプーンはまだ止まらない。
「なんだろうな。わからない……。もう一口……」
他已经完全自言自语了。在我困惑之余,老爷子也站到了我身旁一言不发的注视着料理长。后者的手完全没有停下来的意思。
“为什么呢?不理解。。。。再吃一口试试”
 驚いたことに、結局、料理長はスープを完食してしまった。
 料理長が口元をハンカチで拭ってから、少しの間、厨房はなんともいえない静寂に包まれていた。
 うっ、息が詰まる。
 たまらなくなって、私のほうから「どうですか?」と聞きかけたとき――。
结果料理长令人吃惊的把汤全都喝完了。从他用手帕擦干嘴角开始,有一段时间里,厨房内鸦雀无声。唔,呼吸要停止了。因为实在是难以忍受,我直接问了句“如何?”
「申し訳ありません、妃殿下。いまの私には、この料理を語る言葉が見つかりません」
「えっと、お口に合わなかったなら無理しないでください」
「いえ。そうではないのです」
真是抱歉,王妃殿下。仅靠现在的我,难以找到描述它的词汇。
“爱豆,要是不合口味请不要勉强直接说出来。”
“啊不,并不是这样。”
 たじたじしている私をじっと見つめたあと、料理長は慇懃な態度で丁寧に頭を下げた。
他直勾勾的盯了我半晌后,料理长很有礼貌地低下了头
「私は私の料理に誇りを持っています。濃厚な味つけ、全ての者の腹を満たすボリューム、見た目の豪華絢爛さ。――妃殿下のスープを口にした率直な感想は、『味が薄い』というものでした。ですが、この料理はそれだけではない。私は確かに、この味の中に旨みを感じているのです」
「料理長さん……」
「ただこの旨みの正体がなんなのか、まだわからない……。王室専属料理人となってから十五年。私の舌は濃い味つけに慣れすぎて、繊細さを失ってしまったのかもしれません。料理人として、お恥ずかしい限りです」
我对自己的料理抱有一定的自信。浓厚的调味汁,能让所有人都饱腹的量 ,还有目之所及的华丽感。——王妃殿下的汤吃到嘴里第一感想就是”味道真淡啊“。但是,这道料理并非只有那些。我确确实实的从这道料理里感受到了 ”
“料理长。。”
“但是 的正体是什么,我还不好描述。。。在下已经担任王族专属厨师15年,舌头过于习惯浓厚料理,或许已经失去了感知纤细的能力。作为厨师,真是羞耻。”
 自分を恥じるように頭を下げた料理長を前に、私はますますたじろいでしまった。
 そこまで重い話だったっけ……!?
 私が困り果てているのに気づいたのか、おじいさんが助け舟を出してきてくれた。
站在因羞耻而低下头的料理长面前,我愈加的畏缩不前了。居然是这么沉重的话题。或许是注意到了我的困窘,老爷子开始帮我说话。
「ならばどうでしょう、料理長。これからも妃殿下の料理を、時々ご相伴にあずかるというのは」
「え!?」
「妃殿下。よろしければ今後も儂らに料理を振舞っていただけませんか」
「私は料理させてもらえるなら、ありがたいですけど」
那这样如何,料理长?从今往后时不时的让你品尝王妃殿下的料理。
“哎!?”
“王妃殿下。允许的话,今后也能和我等一起制作料理吗?”
“要是能允许我做饭的话,我是很感谢倒是。。”
 料理長のほうはそれでいいのだろうか。
 不安を抱きつつ、ちらっと視線を向けると、なんと料理長からも頼まれてしまった。
但是料理长那边这样好吗?我不安的看向他,没想到后者却主动拜托我了。
「妃殿下、私からもぜひお願いいたします。殿下の料理に感じるものがなんなのか、その正体を見極められなければ、私は料理人としてこれ以上成長することができないでしょう」
「それじゃあ、その、私が厨房を借りに来ても大丈夫ってことですか?」
「ええ、もちろんです。いつでもお待ちしております」
……! いつでもって本当に!?」
王妃殿下,我这边也拜托你了。要是能明白我从殿下料理里面感受到的正体是什么,我作为厨师的境界会比现在更上一层楼吧。
“那么,我借用这个厨房也没有关系吗。”
“恩,当然。任何时候都欢迎你来。”
“。。。。。任何时间是真的吗?!”
 つい前のめりに聞き返すと、料理長は目を丸くした後、初めて私の前で表情を崩した。
 笑うと取っつきにくい印象が和らいで、イケオジという感じの雰囲気になる。
向前倾听等后我回答的料理长,瞪大了眼睛,第一次在我面前变了表情。只要笑起来的话难附着的印象就会和缓,变成了帅哥感觉的气氛。
「妃殿下は本当に料理がお好きなようですね。是非、これからも厨房を使ってやってください」
王妃殿下真是喜欢料理啊。这之后请务必使用厨房做饭。
 うそみたい。
 まさかの展開で、厨房の使用権を手に入れてしまった。
 しかもおじいさんから、あの畑の野菜を好きに使っていいとのお許しもいただいた。
就像谎话一样。在难以置信的展开里,我得到了厨房的使用权。而且也从老爷子那得到了可以随意使用菜田蔬菜的许可。
 わあ、どうしよう!
 うれしい……!
哇,怎么办。我超高兴。
 新鮮な野菜と厨房があれば、いつでも好きな時に体の求めている料理を口にすることができる。
只要有新鲜的蔬菜和厨房,我就能随时随地做饭给自己吃。
 あとは侍女長から外出の許可を得るだけだ。
之后只要从侍女长那得到外出许可的话。





12 次は自由に歩き回れる権利が欲しいです
 厨房を使わせてもらえることになってから、十日が経った。
 この世界に来てからは、ちょうど二十日だ。
从得到使用厨房的许可权开始已经过了十天。来到这个世界则是过了20天。
 あれから、部屋に戻ると顔面蒼白の侍女長さんと鉢合わせし、こってりと絞られてしまった。
 いつもは他人行儀な侍女長さんが「どれだけ心配したことか……」と言葉を詰まらせるのを見たら、さすがに申し訳なくなった。
 閉じ込められてることは納得がいかないままだけど、コソコソ出ていくのはもう止めよう。
那之后,我回到房间时正好撞见了侍女长,一下子就被勒住脖子。一直都表现出见外礼仪的她,这次却“知道我有多担心吗!”这样责备着我,真是抱歉。虽然我没法认同一直被关着,但以后还是不要偷偷跑出去了吧。
 私は素直に謝罪してから、もう黙って抜け出さない代わりに、厨房や裏の林に通う許可を欲しいと頼んだ。
 侍女長さんはかなり頑固だったけれど、私もなんとか奮闘した。
我率真的谢罪后,代替偷偷溜出去,我向侍女长请求了厨房和后面树林的进入许可。虽然她是个无比顽固的人,我也使出各种手段奋斗着。
 十日間の謹慎を言いつけられてびっくりしたけど、侍女長は「王妃殿下の教育係も兼任している身として、当然です」と言っていた。
 結果、今回の反省として十日間の謹慎を受け入れる代わりに、その後は時々厨房になら通ってもいいということになった。
 必ず侍女を一人つけるようにとの条件もついてきた。
 そのくらいだったら私も受け入れられる。
被关了十天的禁闭虽然让我有些吃惊,但是侍女长“王妃殿下的教育也是我的任务。这是当然的。“如此说道。结果,作为接受十天禁闭的代价,我被允许以后偶尔去厨房也可以。但是必须要有一名侍女跟随着。这种程度的话还是没什么问题的。
 それにしても侍女長が王妃に謹慎を言い渡すのって普通なのかな。
 王妃様って王宮の中で一番偉い人みたいなイメージだったけれど、エミリアちゃんの環境を見てる限り、全然そんな感じがしない。
 もしかしたら侍女長さんは、エミリアちゃんのお目付け役みたいな立場も兼ね備えているのかも。
 まあ、私はえばり散らしたいわけじゃないし、余計な質問はしないでおく。
 侍女長さんって、学校のおっかない先生っぽい雰囲気だから、あんまり逆らいたくないんだよね……。
但是侍女长要王妃关禁闭什么的是普通的吗?王妃应该是王宫里最伟大的那一类人才对啊,可是看到艾米利亚的处境,却完全没有这样的印象。或许侍女长也兼备着王妃的监视任务吧。
嘛,我也不想被乱发脾气,还是不要问多余的问题吧。侍女长就像是学校的顽固教师一样的气氛,不太好违抗她。
 だけど行ける場所が厨房に限定されてるのは、ちょっとなー……。
 なんで、そんなにエミリアちゃんを閉じ込めておきたがるのか謎だ。
但是允许去的地方只有厨房什么的,稍微。。。为何要这样把艾米利亚关起来关起来也是个谜团。
 どうして自由に動き回ったらだめなんだろう。
 その点に関しては納得がいかなくて、つい尋ねてしまった。
 すると侍女長さんは絶句した後、「妃殿下ご自身が一番おわかりでしょう。陛下のお気持ちを少しはお考え下さい」とため息を吐いた。
 さすがにそれ以上、食い下がることはできなかった。
为什么我就不能自由的活动呢?我对于这部分无法认同,不经意间就询问起原因。这之后侍女长无语了,然后她”王妃殿下自身不是最清楚的吗?稍微考虑下陛下的感受吧“说着,吐了口气。果然这以上没法再问下去了。
 エミリアちゃんの人となりや死亡理由がわからなければ、どうしようもない。
 知りたくても聞ける相手が相変わらずいないしな。
在不了解艾米利亚的为人和死亡原因的情况下,我办不到任何事。即使想要打听却一如既往的没有合适的对象。
 出歩く権利問題はとりあえず脇に置いておいて、私はひとまず十日間の謹慎を、大人しく耐えることにした。
暂且把外出的权利问题放在一旁,先忍受过十天的禁闭吧。  
謹慎といっても、部屋から出られないのは今までと変わらないし、十日過ぎれば厨房に出入りできるようになるのだ。
 同じ耐える日々でも、気持ちが全然違う。
说是禁闭,不从房间出去和过去也没什么不同。只要忍过十天过后我就可以去厨房了。同样是忍耐度日,心情却完全不同!
 相変わらず、侍女さんたちとは必要最低限の会話しかしてないから、別人がエミリアちゃんの体の中に入ってることは全然ばれなかった。
同往常一样,侍女长只和我进行最低限度的会话,完全没发现艾米利亚的内在是我这件事。
 それからこれも相変わらずだけど、お葬式で会った美青年、つまりエミリアちゃんの旦那様でありこの国の国王陛下とは一度も会っていない。
 食事のことで参っている時、会いたいって連絡したのに、その返事もこないままだ。
此外还有另一件一如既往的事,那就是葬礼上遇到的青年,艾米利亚的丈夫从没来看望过。 为了料理的事 我提出过见面的申请,但是也没有回应。
 食事と言えば大きな変化があった!
 私のもとに運ばれてくる料理が、明らかに薄味になったのだ。
 ボリュームはすごいし、こってり系料理なのは変わらないけれど、薄味になっただけで食べやすさが全然違う。
 料理長が私の好みを尊重してくれているんだとわかり、その心配りをうれしく感じた。
 おかげで前よりずっと、食べられる量が増えた。
 料理長に会ったら、ちゃんとお礼を伝えないと。
说到料理倒是有了很大变化。送到我身边的菜,明显变淡了。 虽然量还是很大,也还是味道浓厚的料理,但是味道淡一点后就完全不同。明白厨师长尊重我的喜好,我感到非常高兴。 托您的福,吃下的量比以前增加了很多。见到厨师长要好好地向他道谢才行。
 食欲が満たされてくると、他のことにも目が行くようになった。
食欲被满足后,我也开始思考起其他的事情
 ……部屋に閉じこもってるだけって、不健康じゃないか?
 謹慎期間中とはいえ、ずっとだらだらしていては、どうしたって運動不足になってしまう。
 おじいさんの畑に行くだけで息が切れてたぐらいだし。
 これ以上、体力が落ちたらまずい。
……只是呆在在房间里,会不会太不健康?虽说是在禁闭期间,但如果一直懒懒散散的话,怎么也运动不足只是去老爷子的田地就已经气喘吁吁这以上体力再下降就不好了。
「部屋でもできる運動か……」
能在房间里进行的运动。。。
 棺桶の中で、起き上がるのにすら苦労したことが脳裏をよぎった。
 腹筋もつけないとな。
我想起在棺材中,连起来都很辛苦的事情看来腹肌也不行啊
 私はおもむろにベッドに上がり、腹筋を鍛える体勢をとった。
 仰向けになって、頭の後ろで腕を組んで――。
我慢慢地上床,摆出锻炼腹肌的姿势。 仰面朝天,在头后面挽起手臂——。
「ふんっ!!」
哼!
 おなかに力を入れて、必死に起き上がってみようとした。
 ところが……。
然后肚子用力,用力地起来。可是……。
「ふぐぐぐ……。ううっ……。だ、だめだっ……」
呼咕咕咕。呜呜。。。。不,不行了。。
 べちゃっとベッドに沈む。
 腹筋が一回もまともにできないなんて。
 やっぱりこの体のままじゃ問題だよ。
扑通一声在床上。现在的腹肌连一次完整的动作也支撑不下来。果然保持这样的身体下去是个问题啊。
 謹慎七日目。
 私は再度、厨房以外への外出の許可を侍女長さんに頼んでみた。
 侍女さん同伴でもいいから、離宮前にある中庭や裏の林ぐらいには、散歩に行かせて欲しいって。
 でも戻ってきたのは「陛下に直接お頼みください」と言う返事だけ。
禁闭第七天。我再次向侍女长请求了厨房以外的外出许可。让侍女同行也没关系,希望能让我去离宫的中庭和后院的树林散步。但得到的只有「请直接向陛下请求」的回答。
 またそれ!?
 あの人、全然会えないでしょ!?
 そう叫びたくもなった。
又是那!那个人,根本见不到吧!? 我想这样叫喊。
 腹筋も外出に関する説得も上手くいかないまま、ようやく約束の十日が経った。
结果在腹肌的锻炼和外出的请求都不顺利的状态下,终于过了约定的十天
――という感じで、外出許可を取得するための戦いを続けているところなんです。今のところ、まったく相手にされてないけど……」
「なるほど、それでしょんぼりされていたのですな」
“——就是这样的感觉,为了取得外出许可而不断战斗。但是到现在,完全没被对方理睬过……”
“原来如此,因为这而显得没精打采了
 謹慎処分が明けたその日、驚いたことにおじいさんが畑で採れた野菜を持って、遊びに来てくれたのだった。
 ちょうどその時間、侍女長さんたちは不在で、私は応接室のほうでおじいさんとゆっくり話すことができた。
 果たしておじいさんが人目を忍んで会いに来たのか、侍女長さんの許可をもらっているのかは謎だ。
 一応尋ねてみたけれど、いつもの「ほっほっほっ」という謎めいた笑いではぐらかされてしまった。
禁闭处分结束的那天,让我吃惊的老爷子居然拿着田里采摘的蔬菜来玩 正好那个时间,侍女们不在,我得以在接待室和慢慢地说话。到底是老爷爷偷偷地来见我,还是得到侍女长的许可呢,是个谜姑且试着询问了一下,但被他吼吼吼”的谜之笑声蒙混过去了
「侍女長はなかなか手ごわいでしょう」
”侍女长相当难对付吧。“
 おじいさんの言葉に、私は溜め息を返した。
听了爷爷的话,我叹了一口气
「はい、かなり……。陛下に会わなきゃいけないって言われても、忙しくて全然会えないし」
「む。妃殿下は国王陛下への面会をご希望なのですか?」
「侍女長さんに頼んでいても、平行線っぽいですから。そもそも私が外に出るのを禁止しているのは、陛下らしいんです。でも部屋に閉じこもったままって、不健康じゃないですか。私はもっと自由に散歩したりしたいんですよ。おじいさんの畑にだって遊びに行きたいし」
相当的……。虽然她说陛下和陛下会面处理才行,但陛下太忙了根本见不到
唔。妃殿下希望与国王陛下会面吗?
“即使拜托了侍女长,也觉得有点平行线。而且禁止外出的好像是陛下。。。但是关在房间里不是很不健康吗?我想更自由地散步我想去老爷子菜田里玩
 おじいさんは、面白そうに笑った。
老爷爷仿佛很有趣似的笑了。
「ほっほっ。妃殿下が陛下に会いたい理由は、自由に散歩したいからですか」
「え? まずかったですか?」
吼吼妃殿下见陛下的理由,是因为想自由地散步吗?
「诶?难道是很不好的事吗
 焦りはじめた私を見て、おじいさんはさらに楽しそうな顔になった。
看着开始着急的我,爷爷露出更加愉悦的表情
「妃殿下は変わっておられる。なあに、心配なさるな。じきに陛下もお姿をお見せになるでしょう」
「あはは、そうですよね。そのうちきっと」
王妃殿下真是奇怪的人啊。不必担心。很快陛下便会现身吧
“哈哈,是这样啊。时机到了就会见面吧
 まあ、そのうちなんて当面は来ないんだろうな。
 会うだけで一ヶ月待ちの相手だし。
 そう考えて、また気持ちががっくりきた。
时机什么的当下是不回来就是了毕竟单单见面就让我等了一个月的对象这样想着,又变得失望
 ところが私の予想に反して、その機会は唐突に訪れることになる。
 今回、私がおじいさんに愚痴ったことが、陛下との距離を急接近させるきっかけになる。
なんて__
可是与我的预料相反,那个时机突然就来了没想到 这次我向爷爷发牢骚,成为拉近我与陛下距离的契机。
什么的——





13 国王陛下の胸の内 
 王妃エミリアの暮らす離宮から、中庭を横切り、温室の脇を通り、教会を越えて、さらに庭園を抜けた先にアントワーヌ宮殿はある。
从王妃艾米利亚居住的离宫开始,穿过中庭,穿过温室一侧,越过教会,再过庭院后就是安特瓦纳宫殿。
 若き国王テオドールは、久しぶりに宮殿内の執務室に戻ったところだった。
 いつもより一層、顔色が青白いのは、視察に訪れた国境付近でオーガの群れに襲われ、ほとんど不眠不休で討伐した帰りだからだ。
年轻的王泰奥多尔,回到了久违的宫殿内的办公室。他的脸色比平时更加青白,因为在视察国境附近受到了群的袭击,几乎是不眠不休的状态下讨伐回来的。
 ここ数年、凶暴化した魔物の暴走が後を絶たない。
 兵士はもちろん、強力な攻撃魔法を操るテオドールも、率先して戦いに参加していた。
 国王を戦いの場に出すなどありえないという意見もたびたびあがったが、彼の力なくしてこの小国を守っていくのは至難の業だった。
 テオドールは強く、その戦力によって明らかに国の防衛力は増していた。
这几年,凶暴魔物的暴走接连不断。先不说士兵,能操纵强力攻击魔法的奥多尔,也得带头参加战斗。虽然也有人屡次提出不能将国王送上战场的意见,但如果没有他的力量,要保护这个小国会是相当困难的工作。泰奥多尔强,他的战力明显增强了国家的防卫力量。
 そんなわけで若き国王は、執務と戦の両方をこなすこととなり、多忙を極める身となった。
 おそらくは国一番忙しい男だろう。
就这样,年轻的国王在公务和战斗两方往来奔走,成为了极其繁忙的人。他大概这个国家最忙的人吧。
 今回も十五日ぶりの帰還だ。
 そのため書き物机の上は、山積みの書類で埋まっていた。
 珍しい光景なわけではない。
 常に公務に追われているテオドールの執務室は、だいたいいつもこんな有様だった。
这次也是时隔15回归。因此,书桌上堆满了堆积如山的文件。这倒什么稀奇的光景,经常被公务追着跑的奥多尔的办公室,大体上总是这样的情况。
「お帰りなさいませ、陛下」
“欢迎回来,陛下”
 テオドールを出迎えた執務補佐官ジスランは、大股で歩み寄ってくると、珍しい人物の来訪を伝えてきた。
前来接泰奥多尔的执务辅佐官基斯兰,大步走近,传达了新奇的人物的来访这一事实
――ジェルヴェ公がこちらに顔を出されているだと?」
「はい。いつお戻りになるかわからないとお伝えしたところ、のんびり待っているから構わないとおっしゃられて……。今は白鷺の間にてお待ちです」
「そうか。次の予定は元老院との会議だったな」
“——听说杰尔贝公在这里露面了
是的。我告诉他不知道什么时候回来,他却,我地等,所以没关系……。现在在白鹭之间等您”
这样啊。接下来的预定是和元老院的会议
 テオドールは懐から懐中時計を取り出すと、文字盤を見つめながら頭の中で予定の帳尻を合わせた。
奥多尔从怀中取出怀表,一边着表盘,一边在脑中计算着时间
「これからすぐジェルヴェ公にお会いする」
「ですが陛下、この時間に昼食をお召し上がりにならないと、次は二十三時まで空きがありませんよ。貴方のことです。どうせ朝も摂られていないのでは?」
“接下来马上和杰尔贝公见面”
“但是陛下,这个时间不吃午饭的话,到23点为止就没有空了。陛下的话,早上应该也没吃饭吧?
 線の細いすらりとした体躯と、メガネをかけた神経質そうな顔つきがいかにも文官らしい印象を与えるジスランは、もともとテオドールにとって六つ違いの学友だった。
 そのためか、それとも彼の性質なのか、ジスランは相手が国王陛下であろうとも、お小言を容赦なく投げつけてくる。
 ただし本心から心配してのことだったので、テオドールも煙たがったりはしなかった。
 学友から、国王と執務補佐官という関係になっても、テオドールにとってジスランは、気心の知れた兄のような存在なのだ。
身材纤细,带着眼镜,长着有些神经质的面容,给人以文官印象的斯兰,对奥多尔来说原本就是六个不同的同学之一因为这一缘故或者是因为他的性格斯兰即使面对国王陛下,也毫不留情地提出责备之言。是正因为他是从心里担心泰奥多尔泰奥多尔不会对此介意 即使是从同学变成了国王和执务助理官的关系,对泰奥多尔而言,基斯兰也还是那个知心的兄长
「朝食を抜くなど、私からしたら考えられません」
「食べている時間がもったいない。それに朝と昼の食事を抜いたぐらいでは、死なないだろう?ジェルヴェ公との面談の間に、会議の準備をしておいてくれ」
「食生活の乱れ、慢性的な睡眠不足、過労が重なれば、死を招く恐れは十分あります」
“不吃早饭什么的,在我看来是无法想象的。”
我可没有吃饭的时间。再说了,不吃早饭和午饭的话,不会死?在和杰尔公面谈的过程中,请做好会议的准备
“饮食生活混乱、慢性睡眠不足、过度劳累加重,恐怕已经足够致死了。
 銀フレームの中の細い瞳が、気遣いと非難を綯い交ぜにしたような視線を投げかけてきた。
银色镜框中的细小的瞳孔,投过来将担心与责难交织在一起的视线。
「戦闘面では無敵だと謳われる貴方でも、病に侵された場合、そうはいかないでしょう。どうかご自愛下さい。王位を継承されてからの生活は、目に余るものがあります」
“即使在战斗方面被赞为无敌的你,在被病魔侵害的,也不会所向披靡吧。请更加珍爱自己继承王位后的生活,实在让人看不下去
 確かにジスランの言うとおり、このところ真っ当な生活を送れていない。
 そのせいか頭痛を覚えることも多い。
正如斯兰所说,最近没有过正经的生活。也许是因为这个原因,头痛的情况也很多。
「わかった。今、死ぬわけにはいかないからな。夕食はしっかり食べるとしよう」
知道了。现在不能死啊。好好吃晚饭吧
 信用ならないという顔をしたジスランが口を開く前に、言葉を付け足す。
露出不信任表情的基斯兰开口之前,泰奥多尔又补充了一句。
「ジスラン、日頃からの気遣い感謝している」
“基斯兰,感谢平时的关心。
 柔らかく微笑みかけられたジスランは、毒気を抜かれたように黙り込んだ。
 信頼を込めた眼差しと共に、そんなふうな言葉をかけられては、お小言を飲み込まざるをえない。
 普段のテオドールがほとんど表情を動かさないからこそ、時折見せる親しげな笑みには、どうしたって心を動かされた。
回以温柔笑容的基斯兰,像被除去毒气一沉默被他用充满信赖的目光这样说的话,我不是不能抱怨了吗 因为平素的泰奥多尔几乎不表情,偶尔露出的亲密的笑容,最能打动心。
『浮世離れした美貌を持つ国王陛下の微笑は、老若男女を問わず、どんな相手の心も一瞬で捕えてしまう』
拥有远离尘世的美貌的国王陛下的微笑,不论男女老少,任何对手的心都能在一瞬间被捕获。
 人々の間に広まるそんな評判は、決して大げさなものではなかった。
在人们之间广为流传的这种评价,绝不是夸张的。
 テオドールは他者の感情を翻弄する気など皆無だし、今、ジスランに向けた言葉にも裏の意味などない。
 ジスランなどはテオドールの人となりをわかっているからいいものの、妙な誤解をして面倒を起こす輩は後を絶たない。
 国王という立場から考えると、人心掌握術は
 重要な武器になる。
 とはいえ度が過ぎて魅了してしまうのは、やはり問題だった。
泰奥多尔根本没有玩弄人的感情的想法,现在,对着斯兰说的话也没有任何隐藏含义斯兰等知道泰奥多尔的还好,却也会有因为奇怪的误解而引麻烦的人存在。 从国王的角度来看,会掌握人心能成为是重要的武器话虽如此,过度的魅惑力也是个问题。
 少し前にも、テオドールから寵愛を受けていると勘違いした侯爵令嬢が乗り込んできて、騒ぎを起こしたばかりなのだから。
因为不久前,误以为受到迪奥多尔宠爱的侯爵千金闯进来,引起了骚动。
「せめて陛下がどなたか一人に心を向けてくだされば、面倒な誤解も生まれないのですが……」
「なんの話をしている?」
「いえ、なんでもありません」
“至少如果陛下能把心转向其中一人的话,就不会产生麻烦的误解了……”
“你在说什么?”
“不,没什么。”
 ジスランが複雑な気持ちになっていることになど気づかず、テオドールは慌ただしく執務室を出ていった。
 テオドールがひとところに一時間以上留まっていることは、かなり稀だった。
泰奥多尔无视心情复杂的基斯兰脚步匆忙的走出办公室。事实上泰奥多尔一个地方停留一个小时以上的事相当稀少。
 ◇◇◇
 テオドールが白鷺の間に足を踏み入れると、ジェルヴェ公はこちらに背を向けて、のんびりと庭園を眺めているところだった。
奥多尔踏入白鹭之间时,杰尔公正背向这边,悠闲地望着庭院。
「ずいぶん忙しくしていらっしゃるようですな、陛下」
真是忙碌啊,陛下
 ゆったりとした仕草で、ジェルヴェ公が振り返る。
 祖父であるジェルヴェ公が諸外国巡りの旅に出て以来、数年ぶりの対面となるが、彼の与える印象は全く変わらなかった。
 穏やかな声音も、理知的な態度も、どことなく掴み所のない眼差しも。
说着,杰尔贝公以轻松的动作转过身来看。这是自从祖父杰尔贝公出国巡游以来,相隔数年再次见面,但他给人的印象完全没有改变。平静的声音也好,理智的态度也好不知道注视着哪里的眼神也好
「ジェルヴェ公。旅はいかがでしたか?なかなかご挨拶に向かう時間が取れず、申し訳ありませんでした」
「なにをおっしゃられる陛下。なかなか挨拶に来ない無精をしていたのは、儂のほうですよ。実は戻ってからずっと、畑作りに精を出しておりましてな」
「畑、ですか?」
“杰尔贝公。旅行过得样?我怎么都没时间去打招呼,非常抱歉
“您说什么陛下。怎么也不来打招呼的懒散的人,是老朽这边啊。其实老朽回来之后就一直在努力种田
种田么
 戸惑い気味に尋ねる。
 ジェルヴェ公が単なる雑談をするため、宮殿のほうへ顔を出すとは思えない。
 しかし、それならこの話はどこへ繋がっていくのだろうか。
疑惑地问道。泰奥多尔并不认为杰尔贝公只是为了闲谈,才宫殿的。但是,这样的话,话题连接不上。
「ただふらふらしていたおかげで、妃殿下にお会いできましたしね」
……!……エミリアにですか?」
“只是拜老朽懒散闲逛所赐见到了王妃殿下。
“……!……艾米利亚吗?
 予想外の言葉を聞き、一瞬、頭が真っ白になった。
 腑抜けた声でなんとか返事をしたものの、まだ混乱している。
意料之外的话,泰奥多尔一瞬间脑袋一片空白。虽然用朦胧的声音勉强答复了,但还是很混乱。
 離宮から出ることのないエミリアが、どうしてジェルヴェ公と会う機会を得たのか。
 わけがわからない。
无法离开离宫的艾米利亚,为什么有机会见到杰尔公呢?不明白。
「陛下も随分と意地悪をなさる。妃殿下が会いたがっておられるというのに、袖にするとは」
“陛下也真是心肠。明明王妃殿下如此想见您您却理睬
会いたがっている?
十分想见我)
 テオドールの眉間に刻まれていた皺がますます濃くなる。
 混乱が困惑に変わっていくのを感じた。
泰奥多尔深深的皱起眉头他明白自己的感觉从混乱变成困惑。
「何かの間違いでは? エミリアが私に会いたがるなどありえません」
「いえいえ、確かに本人から聞きましたぞ。侍女長を通して陛下に謁見の申し込みを出したのに、未だに返事をいただけていないと」
是不是误会了什么?艾米利亚不可能想见我
“不不,确实本人那听来的她说虽然通过侍女长向陛下提出了谒见的申请,但至今还没有得到回信
 驚きのあまり目を見開く。
 謁見の申し込みなど目にしていない。
 もしや先ほど書き物机の上に載っていた書類の中に、その文が紛れているのだろうか。
泰奥多尔惊讶得睁大了眼睛。他还未曾谒见的申请。或许刚才在书桌上的文件中,混杂着那篇文章吧。
「少々お待ちください、ジェルヴェ公」
请稍等一下,杰尔贝公
 にこにこしている老人に言い残し、急いで執務室に戻る。
 会議の準備をしていたジスランは意外そうな顔で、テオドールを出迎えた。
对笑嘻嘻的老人留下了急忙回到办公室。正在准备会斯兰露出意外的表情,迎接了迪奥多尔。
「陛下。ジェルヴェ公との会談はもう終わったのですか?」
「いや、まだだ。最近来た封書はここだな?」
「いえ、こちらです」
“陛下。和杰尔维公的会谈已经结束了吗?
“不,还没有。最近来的信件是这里吧?”
“不,在这里。”
 ジスランはテオドールが手を付けようとした机の上の書類ではなく、部屋の隅にある三つの木箱を指さした。
吉斯兰指的不是桌上的资料,而是房间角落的三个木箱。
「これは?」
「右から順に、重要度高、重要度中、左が重要度低のものとなります。なお机上にあるものは、時期を問わず最重要のものとなりますが」
“这是?”
“从右到左依次是重要度高、重要度种,和重要度低。另外,桌上的物品,不管什么时期都是最重要的
 なら、妃からの手紙はやはりここだろう。
 テオドールは机の上に積まれた書類を探しはじめた。
那么,王妃的来信果然就在这里吧。奥多尔开始寻找放在桌子上的文件。
「陛下……?」
陛下……?”
 ジスランが訝しげに問いかけてくる。
 しかし今は構っている場合ではない。
 探しても探しても、エミリアからのものらしき手紙が出てこないのだ。
斯兰疑惑地问了过来。但是现在不是介意的时候。怎么找都找不到艾米利亚寄来的信。
「ない。おかしい」
没有,真是奇怪
 では、重要度高の箱の方か。
 そう思って探してみても、手紙は見つからない。
 重要度高のあと、重要度中ときて、手紙はようやく見つかった。
 重要度低の箱の中、かなり下のほうに、エミリア付き侍女長の名前で封筒があったのだ。
那么,是放在重要度高的箱子吗?他想着翻了翻,也还是找不到信。结果翻阅重要度中的箱子时,终于发现了信件在哪。在重要度低的箱子中,相当下面,放着带艾米利亚写的带侍女长名字信封。
 テオドールはそれを掴み、再び執務室を出て行った。
 珍しくかなり慌てた態度で。
奥多尔抓住它,难得的以相当慌张的态度再次离开办公室。


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lightnovel779 公爵
本帖最后由 lightnovel779 于 2019-8-2 23:44 编辑


樓主閣下,您的辛勞翻譯我也有受惠,但不知怎的置頂功能崩潰了。看著看著令我心有不甘,決心做個二流目錄,今其它看官們知道樓主閣下至這刻(13話)的活躍。


后补上每章的标题名:


1.社畜OL,异世界转生啦!
2.我不是该过劳死了吗?
3.回过神来已经成为了金发美少女!!
4.女仆们之间的闲谈
5.异界料理下了肚
6.为填饱肚子制定计划
7.秘密的菜田
8.摘得的黄瓜与谜一般的老爷子
9.厨房的使用权(暂定)到手了
10.冷制土豆汤
11.厨房的使用权(真)到手了
12.然后,我想要自由活动的权力
13.国王陛下的胸中——①



后补上每章的标题名:  <br><br>[url=https://www.lightnovel.cn/forum.php?mod=redirect&goto=findpost&ptid=982921&pid=18988771]1.社畜OL,异世界转生啦![/url]<br>[url=https://www.lightnovel.cn/forum.php?mod=redirect&goto=findpost&ptid=982921&pid=18990419]2.我不是该过劳死了吗?[/url]<br>[url=https://www.lightnovel.cn/forum.php?mod=redirect&goto=findpost&ptid=9829...

5 年前 0 回復

Cotton 皇帝
'お香を炊くのもいい。(这句机翻了也不明白(⊙﹏⊙)) '


点燃的线香气味也挺不错呢

5 年前 0 回復

niaozhishi74 騎士
TA什么都没留下
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